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砂防えん堤「透過型」注目 土石流、流木捕捉に効果

(2017/8/27 11:00)
透過型の砂防えん堤を視察する国土交通省沼津河川国道事務所の職員=18日、伊豆市姫之湯
透過型の砂防えん堤を視察する国土交通省沼津河川国道事務所の職員=18日、伊豆市姫之湯

 記録的な土砂災害をもたらした九州北部の豪雨を教訓に、土石流や流木の捕捉に効果を発揮するとされる透過型砂防えん堤に注目が集まっている。国土交通省は今回の豪雨を受けて、透過型の設置を推進する方針を省内に示し、流木対策の徹底に乗り出した。県内でも、狩野川流域にある砂防えん堤で透過型への改良を順次進めていく方針。
 透過型はコンクリート張りの不透過型と異なり、格子状の鋼管でできている形式を指す。国交省は2013年に伊豆大島、14年に広島、15年に鬼怒川の氾濫をもたらした関東・東北豪雨など、全国的に土砂災害が相次いだことを受けて、16年4月に砂防えん堤の設置指針を改定した。砂防えん堤を今後新設する場合は、透過型の採用を原則とし、不透過型の既設箇所でも透過型に改良を進めていくとした。
 普段は流れてくる土砂を下流に流し、土石流が起きたときだけ土砂や流木を食い止める働きを持つ。不透過型に比べて捕捉する流木の量が15倍となる試算もある。生物の移動も容易で環境面からも注目されている。
 同省沼津河川国道事務所の山田哲士建設専門官は「砂防えん堤の設計思想はこれまで土砂を食い止めることが主眼だった。近年の豪雨は想定をはるかに超える雨量で、不透過型では流木被害が止められない懸念がある」と現状を語る。
 同事務所管内には狩野川流域を中心に砂防えん堤が128カ所設置され、そのうち透過型は5カ所。1958年に発生した狩野川台風では、橋に引っかかった大量の流木が川の氾濫を招いた教訓がある。山田建設専門官は「九州北部の豪雨と狩野川台風は類似点が多い。流木対策は急務」と指摘する。
 18日には九州北部の豪雨を受けて、同事務所では砂防えん堤に関する勉強会を開いた。参加した職員は伊豆市内に設けられた透過型、不透過型それぞれの砂防えん堤を視察し、技術や機能を学びながら、今後の対策を話し合った。参加した職員からは「透過型でどれほどの流木が食い止められるのか」などの質問が相次いだ。
 同事務所の杉山紀行副所長は「ハードの整備は進めていくが、予算上の制約で一気にとはいかない。防災意識の徹底などソフト対策も同時に進めていくことが重要」と述べた。

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