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被災地の性暴力対策急務 子どもから60代まで、男児も被害に

(2016/11/13 11:15)
過去の性暴力被害を知り具体的な対策とともに周知を呼び掛けた講座=御前崎市
過去の性暴力被害を知り具体的な対策とともに周知を呼び掛けた講座=御前崎市

 東日本大震災や熊本地震の経験から、「被災地で女性や子どもに対する暴力があることを知り、対策を講じよう」と呼び掛ける動きがある。大切なのは男性を加害者と見なすのではなく、社会から暴力をなくすための担い手であると位置づけることという。御前崎市で9月末、女性が避難所運営に参画するための防災・減災講座が開かれた。

 ■「認知度上げ、予防体制整備を」
 主催した御前崎災害支援ネットワークの落合美恵子代表は「被災地での性暴力については知らないことが多い。ショッキングな事実もあるが、正しい情報を知らないと対策はできない」と内容の一つとして取り上げた理由を説明した。
 「被害者の年齢は子どもから60代までと幅広く、女性だけでなく男児も暴力の対象になっている」と静岡大の池田恵子教授は注意を喚起する。避難所では陰になっている場所だけでなく、寝ている毛布の中に入ってきたり、着替えをのぞかれたりなど共有の場でも起こっている。「更衣室や女性のみの世帯エリアを設置するなど生活環境を整備することが大事」と対策を伝えた。
 さらに、災害時にはボランティアが支援と引き換えに性行為を要求したり、被災者が支援してくれる女性の体に触れたりするなど、立場を悪用した暴力が起こるという。「被災者と支援者の両方が加害者にも被害者にもなり得ることを知ってほしい」と呼び掛けた。
 避難所の運営マニュアルに女性への配慮を明記している自治体もある。三島市の基本マニュアルには運営本部役員への女性選出や女性や子どもへの防犯対策の記載がある。また女性用相談窓口の設置や子どもへの支援を担うよう、活動班の一つとして女性班が設けられている。
 男女共同参画に関する課題に取り組む団体は、災害時の女性支援や相談対応などの対策を進める。静岡市女性会館は災害時に相談用ホットラインをすぐ開設できるよう検討を始めた。川村美智館長は「男女共同参画の視点から情報提供や相談対応ができるよう準備したい」と話した。
 池田教授は「被害者は日常にも増して声を上げにくい」と指摘した上で、「平常時から問題の認知度を上げ、女性が自主防災組織に加わり、男性と女性が力を合わせて暴力を許さない環境づくりをしてほしい」と力を込めた。

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