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災害ボランティア 受け入れ態勢 事前整備を

(2016/6/12 11:08)
避難所で健康体操の指導を補助する本県ボランティア隊員=5月下旬、熊本県嘉島町(本県ボランティア協会提供)
避難所で健康体操の指導を補助する本県ボランティア隊員=5月下旬、熊本県嘉島町(本県ボランティア協会提供)

 甚大な被害が出た熊本地震の被災地・熊本県嘉島町で、本県からの災害ボランティア隊が活躍している。地震への危機感が薄かった被災地はボランティアの認知度が低く、いち早く被災地に入った本県隊は現地の社会福祉協議会職員らを手助けし、ボランティアセンター(ボラセン)設置から運営まで中心的な役割を担った。大規模災害時、避難生活や復旧作業の支援で災害ボランティアが果たす役割は大きい。嘉島町で活動した隊員は、南海トラフ巨大地震への備えが必要な本県でも、災害ボランティア受け入れについて準備態勢整備の必要性を訴える。
 「一番大事なことは、被災者の困り事ニーズをいかに聞き出すか」。NPO法人御前崎災害支援ネットワークの落合美恵子代表理事は、現地での活動を振り返って強調する。ボラセンの仕事は、被災者の困り事を把握する「ニーズ班」、ボランティアに作業を割り振る「マッチング班」、車両や資機材などの手配をはじめ全体をまとめる「総務班」の大きく三つに分かれる。
 嘉島町では当初、地元の社協職員が1人で「ニーズ班」の役割を担っていたため、活動全体が滞りがちだった。ボラセン運営ノウハウがなかったことに加え、地域内に「泥棒が入るのでは」という警戒感もあり、外部ボランティアが参画しにくい環境だった。落合代表理事は「平時からボランティアの認知度を高めるとともに、地域ごと自主防災会などを通じたニーズ集めの態勢を事前に整えておきたい」と指摘する。
 避難生活が長期化する中、被災者の心のケアも重要。本県隊は避難所で心と体を温める足湯や、急須で入れた温かいお茶を提供するお茶サロンなどの活動を行っている。静岡市清水区から参加した会社員の斎藤信浩さんは、足湯サービスを受けた現地の行政職員らが疲れ切っていたことに心を痛め、「行政職員らも被災者なのに、不休で仕事をこなしている。避難所やボラセンの運営を、外部ボランティアと被災地の住民で支える仕組みがあったらいいのでは」と提案する。
 現地ではいまだ、震災がれきが多く残り、先が見えない状況が続いている。浜松市東区の自営業・但田哲郎さんは高齢者宅や災害ごみ集積場などで、がれき処理を手伝った。但田さんは「軽トラックが足りず、ボランティアの申し出を断る事態になり、もったいなかった。資機材の準備も必要」と主張する。
 さらに、但田さんは東日本大震災で被害を受けた岩手県の沿岸部でも災害ボランティア活動に取り組んだ経験から、「津波被害を受けると、熊本のような地震動被害よりも大量の震災がれきが発生する。沿岸部と内陸部で、土地の事情に合わせたがれき処理計画を作っておくべき」と求めた。

 

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