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災害薬事コーディネーター 静岡県内の養成研修6年、連携向上

(2019/1/16 17:01)
救護所の位置などを地図上で確認する参加者=2018年12月下旬、沼津市内
救護所の位置などを地図上で確認する参加者=2018年12月下旬、沼津市内

 災害時に医薬品や薬剤師を地域に配置したり調整したりする災害薬事コーディネーターを増やすため、静岡県と県薬剤師会が開催している養成研修が6年目を迎えた。災害医療の現場には欠かせない役割を担っている同コーディネーターの養成に自治体が主体となって取り組んでいるのは全国的にも少ない。17日は阪神・淡路大震災発生から24年。自治体職員と地域の薬剤師が、相互連携やスキルアップの向上に取り組んでいる。
 12月下旬、沼津市内で開かれた県東部の薬剤師や保健所職員、市町担当者らを集めた研修会。災害発生4日後を想定し、シミュレーション訓練が行われた。
 近隣同士の市町職員と薬剤師でつくった各グループが各エリアの地図上に、救護所と医薬品の卸業者の位置をマークし、供給ルートも書き込んだ。道路の寸断や通信機器の不通なども想定して被害の大きさごとに対応策を変えるなど、あらゆる状況に応じた行動が取れるよう話し合った。
 講師の伊東市民病院の瀬戸弘和主任薬剤師は「コーディネーターは各担当エリアを俯瞰(ふかん)してさまざまな調整をする必要がある。地図を用いた訓練でそういった力を養うことができる」と強調する。研修に参加した沼津薬剤師会の山口宜子副会長(64)は「災害発生後、地域の状況をいかに素早く把握するかが重要だと感じた」と振り返った。
 コーディネーターの必要性が浮き彫りになったのは2011年の東日本大震災。必要な場所に医薬品が届かなかったり、余った医薬品が放置されたりする状況が生まれた。本県では13年から養成事業を制度化し、県薬剤師会の推薦した薬剤師に委嘱している。コーディネーター数は現在、140人。研修は毎年静岡、浜松、沼津の3市で行っている。
 県薬剤師会の担当者は「災害薬事コーディネーターは災害発生後、県の災害対策本部や各地の方面本部に配置され、行政職員に助言する立場。研修を通して互いに顔の見える関係をつくることが重要」と話した。

 ■先進的な取り組み
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科災害医療マネジメント学講座・渡辺暁洋助教(薬剤師)の話 全国では徳島、高知、熊本県内などで災害薬事コーディネーターの養成に力を入れている。県が主体的に養成に関わっているのは静岡県だけにみられる特徴。災害を想定した実践的な研修を何度も繰り返すなど、自治体職員と薬剤師の連携や災害対応能力を高めている。全国的にも先進的な取り組みだ。

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