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防災士、専門視点で力に 阪神大震災教訓に静岡県が推進

(2019/1/16 08:08)
災害ボランティアセンターの開設訓練で地域住民に概要を説明する近藤武さん(左から3番目)。静岡県ふじのくに防災士の肩書も持つ=12日、静岡市駿河区
災害ボランティアセンターの開設訓練で地域住民に概要を説明する近藤武さん(左から3番目)。静岡県ふじのくに防災士の肩書も持つ=12日、静岡市駿河区

 6434人が亡くなった阪神大震災は、17日で発生から24年を迎える。震災を教訓に、静岡県が推進した施策の一つが防災人材の育成。全国に先駆けて専門知識を体系的に習得する「防災士」制度を設け、本年度までに2816人が誕生した。修了者は防災リーダーとして各方面で力を発揮するとともに、災害に強い地域づくりの推進役を担っている。
 静岡市駿河区で12日、災害ボランティアセンターの開設訓練が行われた。ボランティアコーディネーターの中心として活動したのは7年前、「県ふじのくに防災士」に認定された近藤武さん(68)=同区=。公園に設けたパイプテントに集まった地域住民らを前に、発災後のボランティアの受け入れや作業の割り当ての方法などを分かりやすく説明した。
 県の防災士養成講座は現在、地震や津波の基礎知識、避難所運営、企業防災、災害時医療の対応など31講義を主なカリキュラムとする。近藤さんは「講義で学ぶ幅広い知識や理論を、肩書を持って話すことで相手への説得力も上がる」と意義を語る。
 県が養成した防災士約200人を対象に2017年に行ったアンケートによると、回答者の約8割は地域や職場などで何らかの防災活動に携わっていた。児童や生徒を対象にした研修や、子育て中の母親向けの講座に取り組む例もあった。県の担当者は「地域の防災力の底上げにつながっている」と強調する。
 一方、県の防災士の相互連絡や知識・実技のフォローアップ講習などを目的に00年に発足した「県ふじのくに防災士会」の森口修会長は、防災士の活動のさらなる認知向上を課題に挙げる。「県が認証する制度のため、防災の現場を抱える市町との連携が弱い。もっと接点を増やして、住宅耐震化や家具固定など自分の命を自分で守るという震災の教訓を風化させず地域に伝えたい」と話す。
 静岡大防災総合センター長の岩田孝仁教授は「やる気のある人を積極的に活用できるような県や市町の支援体制が必要だ」と指摘した。

 <メモ>静岡県の防災士 地震や風水害など大規模災害に対する専門的知識を持ち、防災現場で活躍する人材の養成を目的に1996年度から制度化した。5年間で県防災士を237人認定した後、2005年度から県立大の遠隔講義システムも活用して改めて開講。10年度からは「県ふじのくに防災士」と名称変更した。必修科目の8割以上の受講者を修了者と認定する。NPO法人日本防災士機構が03年度から民間資格として認証する「防災士」とは異なる。

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