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浸水解消、救命に直結 国交省浜松河川職員、西日本豪雨被災地へ

(2018/9/23 08:47)
国土交通省の職員らと復旧手順などを検討する浜松河川国道事務所の平井佳津美保全対策官(右から3人目)=7月8日、岡山県倉敷市(国土交通省提供)
国土交通省の職員らと復旧手順などを検討する浜松河川国道事務所の平井佳津美保全対策官(右から3人目)=7月8日、岡山県倉敷市(国土交通省提供)
24時間体制で排水ポンプ車を稼働させた現場=7月8日、岡山県倉敷市(国土交通省提供)
24時間体制で排水ポンプ車を稼働させた現場=7月8日、岡山県倉敷市(国土交通省提供)

 国土交通省浜松河川国道事務所は緊急災害対策派遣隊「TEC―FORCE(テック・フォース)」の一員として、7月の西日本豪雨で甚大な被害が出た岡山県倉敷市真備町地区などに職員を派遣した。発生直後に浸水地域で排水作業に取り組んだ職員は「静岡県内でも同様の災害は起こり得る。被災後の状況を想定しながら、自治体や復旧に関わる民間業者と日頃から連携する必要がある」と強調する。
 豪雨被害直後の7月7日、国交省中部地方整備局管内の職員や協力業者約60人と共に同事務所防災課の平井佳津美保全対策官(46)が現地に向かった。現場は川の堤防が決壊し、地区の約3割が浸水。自衛隊や消防などによる救命活動や行方不明者の捜索が続く緊迫した状況で、初動の応急対策班として排水ポンプ車を使った浸水解消作業に当たった。24時間体制で稼働させ、8日から11日までの4日間で宅地や生活道路の浸水はほぼ解消した。
 平井保全対策官は「浸水を解消して道路などのインフラを取り戻すことが、自衛隊などによる救助作業の効率化にもつながったはず」と語る。現場では土地をよく知る現地職員が作業場所の選定などを指揮した。現地で得た教訓として「平時から災害時の復旧の手順や作業できそうな場所を頭に入れることが重要と感じた」と振り返る。
 同地区は1級河川と支流に挟まれた地域に住宅や田畑が混在する。似通った地勢は静岡県西部にも多い。平井保全対策官は「これほどの災害が起きるとは現地の職員ですら想定していなかったはずだが、管内で同様の水害が発生することを念頭に置きたい」と気を引き締める。
 同事務所は7月中旬から下旬にかけても愛媛県宇和島市に職員4人を派遣し、被災道路を調査した。車のすれ違いができない山あいの市道を歩き、地道に破損箇所を確認した。交通量が多い道路ではなかったが、特産のミカン畑が周囲に存在していて、地元農家らが早期復旧を望んでいた。
 現地で作業に当たった同事務所の森谷竜一工務第二課長(52)は「今回のように一度に広範囲に被害が拡大すれば復旧には多大な時間がかかる。住民が元の生活に戻れるよう被災自治体のニーズ把握に努めることが大切だった」と話した。

 ■「テック・フォース」発足10年 高まる重要性
 国土交通省は大規模災害の復旧を支援する緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE(テック・フォース)」を全国の被災地に派遣している。2008年の発足以来、東日本大震災をはじめ、近年では九州北部豪雨や大阪府北部地震、北海道胆振東部地震などでも活動した。災害現場に急行し、被害状況の調査や応急的な復旧工事を担っている。
 テック・フォースは道路や堤防などの損壊状況を調査し、衛星通信車の派遣、応急対策の立案などを担う。被災自治体での情報収集や支援ニーズを把握する連絡調整員(リエゾン)も派遣している。
 人材や機材が十分でない自治体を支えるなど派遣頻度は年々高まり、重要性は増している。南海トラフ巨大地震の発生も懸念される中、国交省は人員などの体制強化を進めている。

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