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熱海、高波対策に課題 台風12号爪痕、護岸や施設強化検討

(2018/8/15 08:10)
営業を再開した海釣り施設。周辺にはまだ台風の高波の痕跡が残る=14日午前、熱海市の熱海港
営業を再開した海釣り施設。周辺にはまだ台風の高波の痕跡が残る=14日午前、熱海市の熱海港

 東から西へ異例のコースをとった台風12号で、高波が押し寄せた熱海市。被害を受けた施設の営業再開が進み、お盆のかき入れ時を迎えた市内は活況を呈している。一方で行政、観光関係者にとっては、熱海の観光資源にもなっている沿岸部の防災対策強化が新たな課題となっている。
 観光客に人気の熱海港海釣り施設は釣り場のある防波堤のフェンスが破損したほか、管理棟そばの護岸の一部が壊れた。お盆に間に合うよう市や県が仮復旧を急ぎ、11日に営業再開したが、護岸は大型土のうで応急措置をしただけの状態。施設の管理法人「SEA WEB」の安田和彦理事長(59)は「秋の台風シーズンが迫っている。護岸は一日も早く復旧してほしい」と願う。
 施設は市が設置者だが、防波堤や護岸は主に県の管理。県熱海土木事務所はまず破損箇所の早期復旧を目指すものの、施設への被害は2017年10月の台風21号に続いて2年連続。近くには市の下水処理施設もあるため、中長期的には国などと連携した護岸のかさ上げなど抜本的対策も視野に入れる。
 静岡地方気象台によると台風12号が接近した際、熱海では大潮の時期と満潮、強い東方向の風などの条件が重なり、高波が発生したとみられる。東に向かって開けた熱海の地形もあり、多くの市民が「想定外だった」という被害をもたらした。
 見直しを模索する動きは他の施設にも広がる。海に面したレストランの窓ガラスが割れる被害が出たホテルニューアカオは、本復旧に向け、窓の建材などの選定に入った。担当者は「レストランの眺望を残しながら、より安全な環境をつくりたい」と知恵を絞る。市が初島に建設を予定している定期船の待合所などの入る施設は、周囲を囲む護岸が一部破損。市は島民と話し合い、安全対策を改めて検討する予定だ。ただ、護岸や路面の一部が壊れた有料道路・熱海ビーチラインは、再開にかなり時間がかかるとの見通しを示す。各施設の対策の進み具合は一様ではない。
 都市防災に詳しい常葉大社会環境学部の池田浩敬教授(58)は観光客の安全確保について、行政や各施設などが最悪の事態を想定しておくことが必要と指摘する。その上で「リスクの頻度の適正な評価に応じ、安全面の目標値を設定する必要がある」とし、今回の台風を重要な教訓にすべきとの認識を示した。

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