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6月、静岡市で防災「むすび塾」 静岡新聞社・河北新報社共催

(2018/5/13 11:00)

 静岡新聞社と河北新報社(本社・仙台市)は6月2、3の両日、静岡市で防災ワークショップ「むすび塾」を共催する。東日本大震災で被災した3人が語り部として来静し、講演会や地域の避難訓練に参加する。地方紙同士が連携し、震災伝承と啓発を強化するのが狙い。駿河区と静岡広野病院が協力する。初日の2日の語り部の講演会は「東日本大震災を忘れない~被災体験を聞く会」と題し一般公開する。
 語り部として訪れるのは岩手大4年の福田栞さん(21)=宮城県多賀城市出身=、会社員の柴崎智和さん(42)=仙台市若林区出身=、元保育所長の林小春さん(66)=宮城県気仙沼市出身=。
 当時中学生だった福田さんは市街地に四方から流れ込む津波の激流にのまれ、無我夢中で近くのマンションに避難した。一緒に避難した祖母も助かったと思っていたが、後日、変わり果てた姿で見つかった。「おばあちゃんを置いて逃げてしまった」-。そんな後悔にさいなまれた。今は大学で防災を学んでいる。
 柴崎さんは家族と連絡が取れないまま、消防団員として遺体を運ぶ作業に明け暮れた。数日後、父親の新造さん=当時(63)=の遺体と対面した。消防団員も数多く被災し、任務とプライベートの葛藤に悩んだ大震災。「大丈夫」といって逃げない人がいたことが、団員の犠牲を拡大した。「過信や慢心は禁物。高い意識を保ち続けてほしい」と訴える。
 林さんは0~6歳児71人が通う保育所の所長だった。海から約200メートル。常に地震と津波に備え、度重なる防災訓練に「大げさだ」「そこまでやらなくても」という人もいた。不安は的中した。震災2日前に起きたマグニチュード(M)7・3の地震でも念を入れて自主避難した。こうした高い防災意識が3・11の巨大地震時に子供たちの命を守る円滑な対応につながった。
 むすび塾は震災を経験した河北新報社が震災前の「広く浅く」呼び掛ける防災報道を反省し「狭く深く」地域に働き掛けて防災を語り合おうと2012年から毎月開いている。14年から全国の地方紙とも共催している。
 河北新報社の武田真一防災・教育室長は「新聞社が地域に入り込み、その場に必要な防災の在り方を住民と一緒に考える。それがむすび塾の仕掛け」と説明し「防災先進地の静岡で東日本大震災の知見を共有して津波対策をともに考える機会は震災被災地にとっても貴重。発信を広げる場にしたい」と話す。

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