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駿河湾地滑りで局所津波 常葉大・阿部教授、学会発表へ

(2017/10/6 08:06)
明応地震が駿河湾内に残した津波痕跡を再現した波源
明応地震が駿河湾内に残した津波痕跡を再現した波源

 戦国時代初期の1498年に起きた南海トラフ巨大地震と考えられながら全体像が不明確な明応地震について、津波工学が専門の阿部郁男常葉大教授(49)が、駿河湾内で海底地滑りが原因の局所的な津波が発生した可能性が高いと指摘する論文をまとめた。25日から札幌市で開かれる土木学会海岸工学講演会で発表する。
 歴史資料によると、明応地震で東海地方は大きな津波被害を受け、駿河湾沿いの津波痕跡を示す記述が多く残る。一方、地震動の被害記録は小さくて津波被害と釣り合わず、地殻運動を説明する学説が定まっていない。
 今回の研究で阿部教授は、南海トラフ沿いを中心にした地震の断層モデルだけでは、痕跡を残した津波規模の合理的な再現が不可能だと計算上で示した。その上で、海底地形に着目して駿河湾内に津波発生源を4カ所設定し、条件を変えながら津波の伝わり方を解析した。結果から阿部教授は「地震に伴って発生した海底地滑りが、局所的な津波を引き起こした」と推定した。
 痕跡の信頼度が比較的高い焼津市や沼津市西浦など6カ所から津波発生条件を最適化すると、全体的に県第4次地震被害想定より浸水域が拡大し、津波到達時間も短くなった。沼津港周辺を詳しくみると、浸水深が避難困難の目安30センチを超えるまでの時間は、現想定の半分程度の9~10分に短縮される地域が多く、阿部教授は「海底地滑りによる津波は急激に水位が上がるため海岸近くで危険性が高く、防災対策に考慮が必要」と訴える。
 駿河湾内の海底地形は急峻(きゅうしゅん)で、地滑りの危険箇所が数多くあることが分かっている。阿部教授は「駿河湾内の局所的津波の発生について、今回の研究成果が地質学や地形学など幅広い分野で議論を始める着火点になってほしい」と期待する。

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