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<大震法シンポ>みんなで考える地震予測~限界と活用法(詳報)

(2017/5/20 06:00)
大震法見直しへの現状や、今後の南海トラフ地震対策などを考えた大震法シンポジウム=5月13日午後、静岡市葵区の県地震防災センター
大震法見直しへの現状や、今後の南海トラフ地震対策などを考えた大震法シンポジウム=5月13日午後、静岡市葵区の県地震防災センター

 静岡県の東海地震対策の礎を築いた大規模地震対策特別措置法(大震法)の在り方や今後の南海トラフ地震対策を県民とともに探るため、静岡新聞社・静岡放送は13日、静岡市葵区の県地震防災センターで「大震法シンポジウム」(県共催)を開いた。「みんなで考える地震予測~限界と活用法」をテーマに各分野の専門家を招き、国の中央防災会議ワーキンググループ(作業部会)が進めている大震法を含めた南海トラフ地震対策の見直し議論や、地震予測の現状といった課題を掘り下げた。約220人が参加した。

 <基調講演>吉田明夫氏(元地震防災対策強化地域判定会委員)
 ■「警戒宣言」より備え大事
 予知を前提とした大震法に基づいて警戒宣言が出ると、交通の制限や鉄道の停止、店舗の営業停止など社会がかなり厳しく制限される。そうしたコストは1週間で約1兆円とされる。現在、予知は一般に困難とされ、内閣府の調査部会は2013年5月、東海地震を含めた南海トラフ沿いの地震の予知も困難だと報告書をまとめた。
 私は16年2月、8年務めた判定会委員を辞任する直前の定例会で「想定東海地震の“想定”を見直す時」と題して話した。判定会で判定会自体の在り方を議論するのは異例だが東海地震の想定づくりに深く関わった者として、当時の想定が今も続いていることに責任を感じ、見直してほしい気持ちがあった。
 ただ、隣接領域でマグニチュード(M)8級の地震が起きたり、想定震源域内でM7級の地震が起きたりした時には、誰もが自分の地域で大地震が起きるのではないかと心配する状況になるだろう。それでも、大地震は明日かもしれないし、2年後かもしれない。起きないかもしれない。
 そうした状況を想定して内閣府は今、地震の「切迫度」と人や地域の「脆弱(ぜいじゃく)性」でレベル分けした防災対応を取ることを検討しているが、切迫度の評価は現時点では極めて難しいだろう。私は気象庁時代、なるべくその時の科学にのっとった仕組みを作ろうと努力してきた。(今の方向性では)担当者は非常に判断に悩むことになると思う。
 南海トラフの地震は必ず来る。その前に誰もが発生を心配する状況も起こりうるだろう。しかしその時になって(警戒宣言のような仕組みで)一斉に指示を出すのではなく、日ごろから個人や家族、団体、自治体が各自の立場で何ができるかを考え、今から準備していくことが最善の方策ではないか。

防災対策のレベル化のイメージ(住民避難の場合)
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想定される異常のケース
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静岡新聞SBS「大震法シンポジウム」 パネルディスカッション(上)

静岡新聞SBS「大震法シンポジウム」 パネルディスカッション(下)

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