静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

多剤耐性菌4人検出、2人死亡 市立静岡病院、海外転院者起因か

(2018/8/11 07:45)

 静岡市立静岡病院(同市葵区)は10日、入院患者4人がほとんどの抗生物質が効かない「多剤耐性アシネトバクター(MDRA)」に感染し、このうち2人が死亡したと発表した。同病院は、海外からMDRAに感染した状態で転院してきた男性(78)から、医療処置やケアを介して、同時期に入院していた3人に感染が広がったとみている。
 同病院によると、旅行中に発熱し台湾の病院から5月に転院してきた男性からMDRAが検出された。その後、同時期に同じ一般総合重症治療室に入院していた患者の検査で、肺炎や腎不全などで治療を受けていた女性(81)のほか、80代女性と30代男性からも検出された。
 81歳の女性は7月下旬にMDRAによる肺炎が原因で死亡。78歳の男性は治療でMDRAは陰性になったものの、元々の肺炎による敗血症で今月死亡した。80代女性は発症せず保菌状態で、30代男性は陰性となり、共に入院を続けている。
 治療室内の検査で78歳の男性と81歳の女性が使用していたたんの吸引びんのスイッチからMDRAが検出されたが、専門家を交えた事例検討会では「原因か否かの判断は困難」との見解が示されたという。ただ、同病院はMDRAは主に接触感染で広がるため、「職員の予防策が完璧ではなかった可能性がある」として、手の消毒の厳格化や海外渡航歴のある患者に対して感染の可能性を念頭に置いた対応を強化するとしている。
 宮下正病院長は患者や遺族に陳謝し、「収束したとは思っていない。専門家や行政の指導をいただきながら、治療と対策に取り組む」と話した。

 ■静岡県内では過去1例 MDRAの院内感染
 多剤耐性アシネトバクター(MDRA)の院内感染は各地で起きている。今月には鹿児島大病院で入院患者8人の死亡が明らかになり、厚生労働省が各都道府県に報告の徹底を呼び掛けたばかり。
 アシネトバクターは自然環境に生息し、通常は無害。免疫力が低下している人らの間で流行し、肺炎などを引き起こす。MDRAは通常の治療に使う抗生物質が効かない菌で、海外から流入してきたと考えられている。空気感染はなく、汚染された医療器具や医療従事者の手などを通じて広がるとされる。
 国立感染症研究所によると、2008年に福岡大病院などで集団感染例がある。全数把握対象疾患となった14年9月以降も全国で発生していて、県によると県内では15年に1例。
 

静岡社会の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト