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DNA鑑定、信用性否定 袴田さん再審、高裁認めず

(2018/6/12 07:16)

 1966年に清水市(現・静岡市清水区)でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(82)の第2次再審請求即時抗告審で、東京高裁(大島隆明裁判長)は11日、再審開始を認めた2014年の静岡地裁決定を取り消し、袴田さんの再審請求を棄却した。再審開始に必要な「新規明白な証拠」として地裁決定の最大の根拠になったDNA型鑑定について「鑑定で用いた『選択的抽出法』の有用性には深刻な疑問がある。結果も信用できない」と判断した。
 地裁が認めた死刑と拘置の執行停止は、袴田さんの年齢や生活状況、健康状態などを理由に取り消さなかった。弁護側は最高裁に特別抗告する方針を明らかにした。
 弁護団が主張した、犯行着衣とされる「5点の衣類」を捜査機関が捏造(ねつぞう)した可能性についても高裁は「具体的な根拠に乏しい」と退けた。
 大島裁判長は決定理由で、弁護側の本田克也・筑波大教授がDNA型鑑定で用いた選択的抽出法について「複数の専門家から科学技術として確立した手法でない上、その原理に関しても疑問がある旨の意見が出されていた」と指摘した。
 「5点の衣類」の捏造の可能性については「捜査機関は長時間に及ぶ取り調べを行い、犯行時の着衣はパジャマであるとの自白を得ていた。自白に矛盾し、捜査機関の見立てに反する5点の衣類を捏造する動機は見いだしがたい」と否定した。
 一方、死刑、拘置の執行停止について大島裁判長は「再審開始決定の取り消しにより逃走の恐れが高まるなど刑の執行が困難になるような現実的危険性は乏しい」と述べ、取り消しを認めなかった。

 ■東京高裁の決定骨子
 一、静岡地裁の再審開始決定を取り消す。
 一、地裁決定の根拠となったDNA型鑑定結果は信用できない。
 一、「5点の衣類」が捜査機関によりねつ造された可能性は具体的な根拠に乏しい。
 一、袴田さんの年齢や生活状況、健康状態に照らし、死刑と拘置の執行停止は取り消さない。

 ◇お断り 東京高裁は袴田巌さんの再審開始を認めない決定をしましたが、呼称は変更しません。弁護側が最高裁に特別抗告するため決定は確定せず、袴田さんが再収監されていないためです。

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