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車検証不正対策、手続き見直し 静岡県内自治体や運輸支局

(2017/12/28 07:32)
旧車バイクの車検証不正取得事件の流れ
旧車バイクの車検証不正取得事件の流れ

 静岡市のオートバイ修理販売業の男らがオートバイの車検証を不正取得した事件を受け、県内の自治体や国土交通省静岡運輸支局が再発防止に向け、申請手続きの見直しに乗り出した。不正の横行を許せば車検制度や自動車税制度への信頼が揺らぐためだ。ただ、現行制度では不正を完全に防ぐことは難しく、関係者からは「最終的には申請者のモラルに頼らざるを得ない」との声も漏れる。
 逮捕された男らの手口はこうだ。1970~80年代に生産された排気量400~750CCの「旧車」の車検を通すため、市役所に125CCと排気量を偽った上で原付登録し、すぐに廃車手続きを実施。「軽自動車税廃車申告受付書」を入手した。
 次に、バイクの所有者を証明する書類としてこの受付書を静岡運輸支局に提出し、「検査記録事項等証明書」を取得。この証明書には、国交省が車検に関する情報を管理するファイルに登録された“本当の所有者”に関する内容が記されている。これに基づき、本当の所有者がバイクの所有権を男らに譲るとした譲渡証明書を偽造し車検を通していた。
 男らが80件余りの原付登録と廃車手続きを申請した焼津市の担当者は「書類上の不備がなかったので受理していた」と話す。最終的には頻繁に申請に来ることを不審に思い、車台番号と照らし合わせて排気量の偽装に気付いた。県は「申請内容を十分に精査すれば、未然防止できる余地があった」として県内市町の担当課に注意を促す文書を送った。
 静岡運輸支局は事件後、「検査記録事項等証明書」を交付する際の基準を改め、所有者資格を確認する書類として軽自動車税廃車申告受付書だけでなく、譲渡証明書や売買契約書などの提出も求めることにした。ただ、宇佐美貴司首席運輸企画専門官は「あくまで書類で確認する制度。記載内容を信じて受理するしかない」と話し、偽造された場合の対策に課題が残る。
 車検制度を所管する国交省自動車局整備課の担当者は「一般の申請者にどこまで負担を強いるかも踏まえ、きちんと対策を考えたい」と話した。

 <メモ>県警によると、オートバイ修理販売業の男らは個人売買やネットオークションで、販売が終了した人気モデルの旧車や旧車の車体フレームなどを入手。車検証返納証明書や譲渡証明書などがなく、車検が取得できない状態だったため、不正申請していたとみられる。背景には旧車の根強い人気がある。男らは価格が40万円程度だった車両に100万~300万円の値を付け、全国の顧客に約130台を販売、約3億円を売り上げていた。男らが偽造した譲渡証や委任状の中には、既に死亡した人の名前が出てくるケースもあったという。

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