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小選挙区「戦いの軌跡」(衆院選・静岡1~4区)

(2017/10/23 07:06)
1区 上川陽子氏
1区 上川陽子氏
2区 井林辰憲氏
2区 井林辰憲氏

 衆院選は22日投開票され、自民党が野党の分裂や候補者擁立を巡る混乱をついて終始、選挙戦を優位に運び、手堅く6選挙区を制した。希望の党は追い風が逆風に転じて苦戦を強いられ、5、6区以外は敗北した。2選挙区に擁立した立憲民主党、7選挙区に立てた共産党はいずれも選挙区では及ばなかった。

 ■1区 上川陽子氏(64) 自民前(6)
 政権運営を支える現職大臣として選挙に臨んだ上川陽子氏。午後8時すぎ、静岡市葵区の事務所に当選確実の一報が入ると、詰め掛けた支援者から拍手と歓声が湧き起こった。上川氏は「大きな力をいただき感謝したい。国の未来を担う次世代の声を政治に反映させていく」と語り、支援者と手を取り合って喜びをかみしめた。

 ■実績で他候補圧倒
 法相の上川陽子氏(64)=自民前=が序盤からのリードを維持し、小池政就氏(43)=希望元=、青山雅幸氏(55)=立民新=、鈴木千佳氏(46)=共産新=を引き離して6選を果たした。
 上川氏は公務や全国の応援で地元を不在にする選挙戦を強いられたが、自民党市議や県議、静岡市農協などの支持団体、企業が組織力を発揮して支えた。閣僚としての実績を強調し、公明党との連立政権維持をアピールした。
 小池氏は自転車による選挙区回りを徹底し、小まめな街頭演説で「税金の使い道をリセットする」などと訴えたが、党への逆風が痛手となり、無党派層の支持が伸びなかった。
 青山氏は党の上げ潮ムードで勢いづき、9条改憲や浜岡原発再稼働への反対を打ち出して一定の支持を集めたが、知名度や組織力の不足が否めず、広がりを欠いた。
 鈴木氏は各地で地道な街頭演説を展開したが、党支持層以外には浸透しなかった。
 
 ■2区 井林辰憲氏(41) 自民前(3)
 午後8時すぎに当選確実の一報が入ると、藤枝市岡出山の事務所は歓声に包まれた。支援者からの大きな拍手に迎えられた井林辰憲氏は「3期目は選挙戦の中で訴えたことを一つでも実現できるように、誠心誠意努力していく」と声を張り上げた。深々と頭を下げて感謝を示し、支援者と握手を交わして喜びを分かち合った。

 ■世代超え支持浸透
 強固な組織に支えられた井林辰憲氏(41)=自民前=が、前回選に続いて松尾勉氏(33)=希望新=と四ツ谷恵氏(65)=共産新=を振り切り、危なげなく3選を果たした。
 井林氏は初当選した5年前から約1800回の街頭演説を重ねるなど精力的に地域を回り、世代を超えて浸透した。後援会もフル稼働し、無党派層の取り込みにも成功。中盤以降は安倍晋三首相や河野太郎外相が応援に入り、楽勝ムードによる緩みが懸念された組織を再び活気づかせるなど、最後まですきを見せなかった。
 松尾氏は3年前に敗れて以降、約7万軒を回り、知名度アップを図った。各地で組織を立ち上げて支援の輪を広げたが、自民の牙城を突き崩せなかった。民進党を一歩早く離党したことで一部の反発を招き、連合静岡の応援を得られなかったことも重く響いた。
 四ツ谷氏は唯一、憲法改正反対などを訴えて反自民、反希望の受け皿となったが、伸びなかった。

 ■3区 宮沢博行氏(42) 自民前(3)
 磐田市見付のJA遠州中央本店に設けた会場で勝敗の行方を見守り続けた宮沢博行氏の支援者らは、当選確実の一報が届くと、大歓声で喜び合った。安堵(あんど)の笑顔で登場した宮沢氏は支援者と固い握手を交わして感謝を伝え、「厳しい選挙だった。正しい政策を打ち、必ず元気で優しい遠州をつくる」と力を込めた。

 ■農村部中心に集票
 組織戦を展開した宮沢博行氏(42)=自民前=が、小山展弘氏(41)=無所属前=、鈴木望氏(68)=希望元=を振り切り、三つどもえの争いを制した。
 宮沢氏は、序盤に磐田市入りした安倍晋三首相の応援演説で勢いを付け、地盤の農村部を中心に各市町を着実にまとめた。人口減少対策などを訴え、各種産業団体の推薦や地元県議、市町議の支援を受けてリードを保ち、公明党との連携もアピールして与党支持層を固めた。
 小山氏は無所属の出馬となったが、連合静岡、民進党県連の推薦を得て、連合傘下の労組が全面支援した。神津里季生会長ら連合幹部、元民進党幹部が相次いで選挙区入りし、地盤の磐田市を中心に中盤以降急速に支持を広げたが、あと一歩及ばなかった。
 希望の党公認を受けた鈴木氏は、中部電力浜岡原発の廃炉などを訴え他候補と差別化を図ったものの、公示後の同党の支持率低下のあおりも受け、広がりを欠いた。

 ■4区 望月義夫氏(70) 自民前(8)
 午後8時すぎ、静岡市清水区の事務所に当選確実の一報が入るとどよめきと歓声が湧き起こった。拍手で迎えられた望月義夫氏は満面の笑みで「皆さんの熱い熱い思いに、押し上げていただいた」と感謝の気持ちを示した。8回目の当選にも「今日のこの気持ちを決して忘れない」と頭を下げ、支援者と喜びを分かち合った。

 ■保守票手堅く獲得
 望月義夫氏(70)=自民前=が7期務めた実績と知名度を生かした安定した戦いで、国政初挑戦の田中健氏(40)=希望新=、松原聡氏=(55)=共産新=を退けた。
 望月氏は港湾、物流企業や農協をはじめ、自営業者などの保守票を手堅くまとめ、終始優位を保った。党や会派の役職などを務めながら地元のイベントにもこまめに顔を出し、幅広い支持を獲得。短期決戦で組織の準備不足や上滑りが懸念されたが、古くからの支援者らがもり立てた。
 田中氏は、都議を辞めて昨年3月から、民進党候補として準備していたが、公示前に結党された希望の党にくら替え。組織基盤がなく、同級生らと草の根選挙を展開した。街頭活動を中心に「脱しがらみ政治」を訴え、一部の若年層の共感を得たが、新党の“風”は期待していたほど吹かず、時間も十分ではなかった。
 松原氏は消費税増税の中止、護憲などを訴えたが、党支持層以外に浸透しなかった。

3区 宮沢博行氏
3区 宮沢博行氏
4区 望月義夫氏
4区 望月義夫氏

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