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市長公約の宿泊税検討、熱海に波紋 業者は賛否

(2018/9/14 17:02)
宿泊施設などが立ち並ぶ熱海市街地=12日
宿泊施設などが立ち並ぶ熱海市街地=12日

 任期満了に伴う熱海市長選で宿泊税の導入を公約に掲げた現職の斉藤栄氏(55)が4選を果たし、新税導入に向けた検討が本格化する見通しとなった。観光振興にどのような施策強化が見通せるのか、基幹産業の宿泊業に悪影響はないのか―。関係者から賛否さまざまな意見が出始めている。
 「宿泊業界の皆さんと議論を重ね、着実に進めていきたい」
 10日に市役所で当選証書を受け取った斉藤市長は、記者団から宿泊税に対する対応を問われ、改めて導入への意欲を強調。税額や課税対象、使途などは市観光戦略会議に検討の場を設けて議論する考えを示した。
 同市で宿泊税導入が浮上した背景には、税収減や社会保障費の増加がある。人口減の影響などで、2016年度の市税収入は約97億円と10年前に比べ10億円減少。一方、マンションや別荘に移り住むシニア世代も多く、高齢化率は県内市町で3番目に高い46・3%となり、介護や医療関連の支出は増加が見込まれる。
 仮に年間約300万人の市内宿泊者から1人200円を新税として徴収すれば税収は6億円。18年度の市一般会計当初予算の観光費4億7千万円を上回る額を確保できる計算だ。
 導入の動きに「適正に支出され、観光振興に役立つなら必要」との声があるが、宿泊事業者の間では「低・中価格の施設では税額を料金に転嫁できない。熱海の競争力低下にもつながる」「既に徴収している入湯税と二重課税のようになる。宿泊客や国の理解を得られるのか」など批判的な意見が多い。徴税関連業務の負担増に対する懸念もある。
 熱海温泉ホテル旅館協同組合の目黒俊男理事長(70)は「宿泊税導入ありきではなく、市はまず観光分野の具体的な将来像を示してほしい」とした上で、「市内の幅広い分野の関係者が参加して、さまざまな観光財源確保の在り方を議論していくべき」と訴える。

 <メモ>宿泊税は自治体が条例で設ける法定外目的税で、総務大臣の同意が必要。既に東京都と大阪府が課税を始めている。京都市が10月、金沢市が19年4月からの開始を決めるなど、訪日外国人旅行者の増加などを受けて地方でも導入の動きが広がってきた。税額は1人当たり数百円が主流で、宿泊料金に応じて段階的に上がる形が多い。温泉地として知られる大分県別府市は「新税はハードルが高い」として、既存の入湯税の引き上げを予定している。

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