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「口腔機能低下症・発達不全症」 保険適用、治療に弾み

(2018/11/2 07:25)
舌口唇運動機能低下の検査を受ける患者(右)=10月中旬、浜松市中区
舌口唇運動機能低下の検査を受ける患者(右)=10月中旬、浜松市中区

 物をかんだり飲み込んだりする力の衰えといった「口腔(こうくう)機能低下症」と、咀嚼(そしゃく)がうまくできず発音の異常や口呼吸などの症状がある「口腔機能発達不全症」が2018年度の診療報酬改定で、新たに保険適用の治療対象になった。県歯科医師会は「全身の健康や社会性維持のためにも重症化の予防が必要」とし、県民への周知や啓発に力を入れている。
 「タッタッタッタ」。10月中旬、浜松市中区の「柳川歯科医院」では、口腔機能低下症の検査に訪れた高齢の女性患者が、1秒当たりに発声できる回数を計測していた。舌の運動速度や動きを調べる「舌口唇運動機能低下の検査」で、保険の適用対象だ。同歯科医院を営む柳川忠広県歯科医師会長は「保険適用により歯科医師、患者双方にとって治療を進めやすくなった」と語る。
 県歯科医師会によると、口腔機能は全身の体調や心理状態と密接な関わりがあり、症状の悪化は健康を損なう恐れがある。これまで主としてきた虫歯や歯周病、歯の喪失に加え、「口腔機能低下症」「口腔機能発達不全症」の2病名を保険の適用対象にして治療しやすい環境を整えることは、歯科業界にとって長年の課題になっていた。
 一方で、2病名はまだ認知度が低く、さらなる普及、啓発が重要になる。同会は、適切な準備や対応ができるよう歯科医向けの研修会を随時実施。一般向けにも講習や、イベント時に器材を使用しての口腔機能チェック、ブラッシング講座などを通じ周知を強化している。柳川会長は「口腔機能の異常は全身の不調だけでなく、精神や社会性にも大きな影響を与えかねない。健康で充実した生活の支えとなるよう地道な啓発活動を続けていきたい」と強調した。

 <メモ>口腔機能低下症と口腔機能発達不全症 老化や発達不全などさまざまな要因で口腔(こうくう)機能に障害が出る疾患。口腔機能低下症は高齢者に多い。放置すると咀嚼(そしゃく)機能不全や摂食嚥下(えんげ)障害を引き起こす。口腔機能発達不全症は、食べたり話したりする機能が十分に発達していないなどの状態で、主に成長途中の小児期にみられる。摂食機能障害の原因となる疾患がなくても専門的治療が必要とされる。

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