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抗てんかん薬の母子影響調査 学会、国内詳細データ収集へ

(2018/8/4 07:29)
抗てんかん薬が妊娠や胎児に与える影響を説明する大谷英之医師=静岡市葵区の国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
抗てんかん薬が妊娠や胎児に与える影響を説明する大谷英之医師=静岡市葵区の国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター

 日本てんかん学会(東京都)は抗てんかん薬が妊娠や出産、胎児に与える影響を検証する研究を始める。患者の妊婦に聞き取り調査を行い、データを登録する独自のシステムを開発して8月中の運用開始を目指す。これまで欧州諸国を中心とした国際共同研究機構「EURAP」に加わって調査を行ってきたが、全学会員が参加し、日本人の治療に役立てるためにより詳細なデータを得ることを狙いとしている。
 発作を抑えるために服用する抗てんかん薬は、古くから障害がある子どもが生まれる可能性が指摘されてきた。一方、むやみに薬をやめたり、変更したりして発作が頻発すると、早産や胎児の低体重につながる危険性があり、妊娠、出産を考える患者にとって不安要素となっている。
 学会が始める研究では、担当医師に患者から妊娠の報告があった時点、妊娠24週目、28週目、出産時、産後1年のタイミングで聞き取り調査を行い、データを登録する。調査項目は(1)抗てんかん薬の投与量(2)服用方法(3)発作の頻度(4)過去の分娩(ぶんべん)歴(5)生まれた子どもの障害の有無-など。独自の調査項目として、薬の血中濃度を登録し、母子への影響を調べる。
 学会の妊娠レジストリ運営委員会の委員で、システムの開発に携わっている国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター(静岡市葵区)の大谷英之医師(45)によると、日本では一部の医師が中心となり、2001年にEURAPに加わって調査を始めた。これまでに集めたデータは国内で約440例にとどまっている。
 大谷医師は「欧米人と日本人では体格差がある上に、投与できる薬の限度が海外と異なる」とした上で、「説得力のあるデータを得るにはより大規模な登録が必要」と強調する。

 <メモ>抗てんかん薬と妊娠の国際調査 1990年代後半から、欧米諸国を中心に抗てんかん薬が妊娠と胎児に与える影響を調査する研究が本格化した。日本が加わるEURAPは99年に設立された国際共同研究機構。本部はイタリア。ヨーロッパ諸国を中心にオーストラリア、南アフリカなど40カ国以上が加わり、世界最大規模の約2万3千人以上のデータを集積している。調査から、障害がある子どもが生まれやすい薬や飲み合わせなどが分かってきた。

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