静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

医療用ポンプ検査機、浜松医療センター国産化 福島の被災企業と

(2018/5/12 07:38)
国産初のポンプテスターを共同開発した中村直樹科長(左)と林精器製造の担当者=9日、浜松市中区の浜松医療センター
国産初のポンプテスターを共同開発した中村直樹科長(左)と林精器製造の担当者=9日、浜松市中区の浜松医療センター

 浜松市中区の浜松医療センターの臨床工学技士と、福島県須賀川市に本社を置く精器メーカー「林精器製造」が、薬剤などを自動的に投与する医療機器「輸液ポンプ」「シリンジポンプ」などの検査機器ポンプテスターを共同開発した。本格的なテスターの開発は国産では初という。
 5月下旬に横浜市で開催される日本臨床工学会で発表し、今秋発売する。価格やメンテナンス費用が抑えられる国産の利点を生かし、中小病院を中心に普及を目指す。
 同社などによると、現在、国内で使用されるポンプテスターは欧米製が主流。国産では液体の流量を推定する簡易的な検査機しかない。新商品は、メスシリンダーとストップウオッチを使う手動の検査を自動化して流れ落ちる液体の重量を測定し、点検作業を担う臨床工学技士らの負担を軽減する。操作やデータ管理も容易にした。価格も1台数百万円に上る外国製の3分の1以下に抑えた。
 海外製の検査機器の故障時にかかる時間や経費負担、英語表記による操作上の問題を感じていた同センター臨床工学科の中村直樹科長が昨年の同学会の展示ブースで、同社の試作機を見て製品化への協力を申し出た。過去にポンプテスター開発を試みて頓挫した経験がある中村科長は「基本的な原理を応用した試作機に可能性を感じた」という。同センターで試作機のテストを実施して基礎データを採取し、現場の作業に応じて操作性などの改良点を助言した。
 同社は時計部品などを製造する老舗企業で、東日本大震災で本社倒壊などの被害に遭った。震災後は医療分野に本格参入し、復興への貢献を目指している。中村科長は「正確で操作性も高い。アフターケアも充実する国産の医療機器を普及させたい。同社との共同開発は被災地支援にもつながる」と話す。

 <メモ> 輸液ポンプやシリンジポンプは、正確で安全に薬剤投与を行う高度管理医療機器で、多くの病院で使用。特に救急救命や手術で使用するシリンジポンプは高い精度が求められ、各医療機関に保守点検が求められている。浜松医療センターでも計約200台を所有し、使用後点検や定期点検に追われる。主流のカナダ製や米国製のポンプテスターが高額であるため、中小規模の病院では導入できない実情もある。

静岡医療・健康・福祉の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト