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ヤモリ足先ヒント、滑りにくい手袋実用化 浜松医科大など

(2018/2/4 07:32)
足先の構造をヒントに開発したナノぴたをつける針山孝彦教授=1日、浜松市東区
足先の構造をヒントに開発したナノぴたをつける針山孝彦教授=1日、浜松市東区
ニホンヤモリの足先の構造
ニホンヤモリの足先の構造

 浜松医科大(浜松市東区)は、繊維などの総合メーカーの帝人フロンティア(大阪市)と共同で、抗がん剤治療などで指紋が消失したがん患者らの生活をサポートする滑りにくい手袋「ナノぴた」を開発した。壁面や天井をはうニホンヤモリなどの足先の構造をヒントに、同社の製品を医療分野へ応用した。
 一部の抗がん剤は副作用で、滑り止めの効果を果たす指紋の消失や、しびれ、握力の低下などが現れる場合がある。指紋が消え指先の摩擦力が無くなると紙がめくれない、瓶のふたが開けられないなどの支障が出る。
 バイオミメティクス(生物模倣技術)を研究する同大の針山孝彦教授(生物学)は、がん診療に取り組む同大の教授らから、指紋消失に悩む患者の存在を聞き、ヤモリやハムシの持つ足の構造の応用を思いついた。
 ヤモリの足先には無数の毛が密集し、接地面が多くなることで摩擦力が生まれ、接着力を高めているという。針山教授は、同社の超微細なポリエステル繊維「ナノフロント」がヤモリの足先と似た表面構造と知り、共同開発を呼び掛けた。
 ナノぴたは、ナノフロントを手のひらに施すことで滑り止め付きの軍手の2倍以上、通常の軍手の3倍の摩擦抵抗力があるという。テストを繰り返して指先の使い方を研究し、人さし指の親指側の側面まで生地を施すなど縫製も工夫して高い機能性を実現した。通気性が高い夏用や同じ素材の指サックも製作し、今秋から販売を始める予定。ロッククライミングが趣味という針山教授は「今より10倍以上の緻密な繊維ができれば、スパイダーマンのように壁をつたうこともできるかも」と夢見る。「生き物から得た技術が困った人の役に立つことがうれしい。さまざまな使い方に応用ができるはず」と多くの人が手に取れる価格設定を模索する。手袋以外への応用も検討している。

ナノフロントの表面構造
ナノフロントの表面構造

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