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がん骨転移の情報、冊子で 静岡がんセンター医師が全国配布

(2017/12/28 17:00)
骨転移をテーマにした冊子を作成した片桐浩久部長(右)=11月下旬、静岡県立静岡がんセンター
骨転移をテーマにした冊子を作成した片桐浩久部長(右)=11月下旬、静岡県立静岡がんセンター

 がん治療の進歩で抗がん剤などの治療を続けながら生活する患者が増える一方、気づかないうちに脳や骨へ転移する人が増えている。静岡県立静岡がんセンターの片桐浩久整形外科部長は骨転移の早期発見、治療につなげる目的で冊子を作成した。骨転移をテーマにした資料は珍しく、全国の病院から反響を呼んでいる。
 片桐部長によると、一般的に脳や骨は内臓に比べて抗がん剤が効きにくいため、転移するケースが増えているという。骨転移で寝たきりになったり、通院が難しくなったりすると、生活の質(QOL)が下がるほか、がんの治療の遅れにつながる可能性がある。
 同センターで骨転移と診断される患者は年間約300人。片桐部長は骨転移にかかっていても診断されない患者が多くいると推測し、骨転移があっても末期とは限らないのに「『転移』に末期のイメージが強く、十分にケアできていない診療現場が多いのが実情」と指摘する。
 冊子は骨転移のメカニズムや転移しやすいがんの種類、背骨などの好発部位を説明し、電動ベッドを使ってゆっくりと起き上がる、高めのいすに座る-など日常生活面のアドバイスもした。片桐部長は「腰痛だと思っていたら骨転移で、下半身まひになってしまったという人も少なくない。早期に適切な処置ができれば恐れることはなく、患者と医療者が一緒に読んでほしい」と呼び掛けている。
 A5判で、全31ページ。がん診療拠点病院など全国約450カ所に7500部以上を配布した。「患者への説明の際に使用したい」などの声が寄せられ、追加注文する病院が多いという。希望者には無料で郵送し、ホームページからもダウンロードできる。問い合わせは同センター疾病管理センター<電055(989)5222>へ。

 <メモ>骨転移 内臓などにできたがん細胞が血液の流れにのって骨に到達し、増殖すること。全身のどの骨にも転移するが、臓器への転移と異なり、余命に直接与える影響は少ない。治療を行わないと骨折や痛みの発生で下半身まひや寝たきりにつながりやすい。薬物療法や放射線治療、手術などが施される。

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