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終章 思い広げる(4) 会話配信、一緒に笑って

(2018/6/30 15:36)
参加者の話を聞く和島香太郎さん(中央)=9日、東京都内
参加者の話を聞く和島香太郎さん(中央)=9日、東京都内

 1日の営業を終えた東京都内の小さなカフェで、7人が1本のマイクを囲んで座った。一呼吸置いて、和島香太郎さん(35)=東京都=が話し出した。「こんにちは、ぽつラジオです。今日はちょっと人数が多いですね」。くすくすと笑い声が上がった。毎月1回、てんかん患者たちの会話をインターネットで配信する「てんかんを聴く ぽつラジオ」の収録が始まった。
 2017年に「ぽつラジオ」を始めた。自身も14歳でてんかんを発症。発作は、ほとんど薬で抑えられている。だが、自分が患者であることを忘れた頃にやってくる。そのたびに「てんかんは一生付き合うもの」と現実に引き戻される。この病気は、仕事や趣味と同じようなものと割り切って、自分の一部と捉えるしかない。だからこそ、ラジオも飾らない普段通りの日常をコンセプトに伝えている。「てんかんについて話すのがつらい人もいれば、そうでない人もいる。だから、笑い声が聞こえたら一緒に笑ってほしい」
 きっかけは3年ほど前、主治医から同じ境遇の患者を紹介されて初めて電話で話した。幼少期から病と付き合ってきた相手の声を聞いていて、いつの間にか自分の心も軽くなっていた。それまでは一人でいると、マイナスのことばかりが頭をよぎっていた。沈みがちな気分を打ち消したくて、お笑い芸人のラジオ番組を聞きながら眠りに就いていた。患者とのほんの少しの会話が気付かせてくれた。「自分から病気のことを言いたくはない。けれど、他の患者が気になっていた」という本音。それと「患者の会話によって、患者の日常にあるささいな問題も伝えられるのではないか」との期待も。

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