静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

第5章 始まりは学びから(5・完) 子ども知る 教師の原点

(2018/6/10 13:04)
生徒一人一人の自己紹介カードを見つめる山村仁副校長=5月29日、磐田市の県立袋井特別支援学校磐田見付分校
生徒一人一人の自己紹介カードを見つめる山村仁副校長=5月29日、磐田市の県立袋井特別支援学校磐田見付分校

 廊下に張り出された自己紹介カードは、生徒の個性がにじみ出ていた。「家が遠いけれど頑張って自転車で来るんですよ」「この子はようやく学校に慣れてきたかな」。県立袋井特別支援学校磐田見付分校の山村仁副校長(48)は一人一人の成長をわが子のことのように喜ぶ。最初は特別な思い入れがあってこの仕事を志した訳ではなかった。学生時代の30年前、てんかん患者と過ごしたあの日までは。
 静岡大教育学部の養護学校教員養成課程(当時)に入学したばかりだった。先輩から誘われた日本てんかん協会県支部のサマーキャンプ。「子どもと接する機会になるから」。サークル活動のような雰囲気に、気軽に応じた。看護師から発作の介助方法の事前研修を受け、一緒に寝泊まりする患者やその家族と関係づくりに励んだ。ペアになった小学生は薬を飲む時間さえ気にしてあげれば良かった。あっという間に終わったキャンプは、楽しい思い出だけが残った。その裏で、仲間がてんかんの本当の現実と向き合っていたとは思いも寄らなかった。
 事後に行われた反省会で衝撃を受けた。「発作が多くて、次はいつかとずっと不安で眠れなかった」「(ペアが)呼吸しているか、夜中に何度も確認した」。仲間の体験談は自分とまるで違った。キャンプに参加した患者は幼児から成人まで。それぞれの症状に違いがあることを初めて知った。「自分にできることがあるのなら」。自然と体が動いた。

無知の知の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト