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第5章 始まりは学びから(2) 「大丈夫?」望んだ一言

(2018/6/10 13:01)
持病を知る友人と話す女子大生(手前)=2日、静岡市内
持病を知る友人と話す女子大生(手前)=2日、静岡市内

 思い返すと身震いしてしまう。高校時代、教室で初めて起きたてんかん発作。意識が少しずつ戻ってきて、クラスメートが顔をのぞき込む様子がぼんやり見えた。友人の1人が言った。「先生が『舌をかむから』って、慌てて口にティッシュを詰めたよ」。驚いた。窒息の危険を招きかねない詰め物は、絶対にやってはいけない行為。学校の先生が知らないなんて。焼津市の女子大生(20)にとって、周囲の無知にがくぜんとした出来事だった。
 小学5年で発症し、薬を飲んでいても年に4、5回大きな発作が起きた。原因不明の頭痛や吐き気にも悩まされ、進学した中高一貫校では学校を休んだり、保健室で過ごしたりすることが多かった。担任に持病を伝えてあったから、他の教職員も知ってくれているだろうと思い込んでいた。でも違った。「本当に体調が悪いのなら、帰りなさい」。学校に居場所がなくなっていく気がした。
 「たった一言、『大丈夫?』って聞いてくれるだけでいいのに」。心に積もるモヤモヤ感。その思いがついに爆発したのは高校を卒業する直前、卒業式の練習の最中だった。
 薬の調整のために入院先から通学していた自分に、学年主任が言った。「式の時はそばにいないので、発作が起きても何もできませんから」。悔しかった。駆け込んだ先は校長室。これまでのいきさつを伝えた。「心配ないよ」。さすがに校長の対応は違った。でも、この経験から痛感した。

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