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第4章 家族とともに(1) 4人で生活、決意の看護

(2018/5/26 13:00)
八木聖央君を囲む一家=16日、愛知県田原市
八木聖央君を囲む一家=16日、愛知県田原市

 日常生活に重大な影響を及ぼす「てんかん」という病と向き合うには、家族の理解が欠かせない。子どもが発病したケースはもちろん、母親自身が患者の場合の子育てや、患者が大人になったとしても、肉親たちの支援が必要になる。困難をともに歩み、強い絆で結ばれた家族の群像を見つめた。
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 自宅の壁に1枚の手紙が貼られていた。今年の「母の日」に娘がくれたプレゼント。覚えたての平仮名で、弟を思いやるお姉ちゃんの優しさがにじみ出ていた。「りおんをまいにちみてくれてありがとう」。愛知県田原市の八木多茂(たも)さん(42)は手紙を見るたびにうれしくなる。リビングに目を移すと、一緒に遊ぶ夫薫平さん(41)と長女華蓮ちゃん(5)の傍らで、てんかんを抱える長男聖央(りおん)君(2)がすやすやと眠っていた。この子を産んだばかりの頃の慌ただしい日常がうそのような、穏やかな午後の光景だった。
 聖央君の異常が見つかったのは出産直後。ぴくん、ぴくんとする体の動きが止まらなかった。3日後には産院から地元総合病院へ。さらに県をまたいで国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター(静岡市葵区)へと転院が続いた。
 1時間に1回大きな発作を起こすわが子。「何とか治してあげたい」。気力を振り絞っても、息子の入院に付き添う生活は心も体もすぐに限界を超えた。栄養などを取るための管がつながれた聖央君に触れるのが怖くなった。それでも看護師の声は容赦ない。「(退院したら)自宅でお母さんがやるんですよ」。病院の外での生活は想像できなかった。

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