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第2章 働きたい(3) 寛容な職場、手帳に望み

(2018/3/24 13:02)
発作の時刻が書き込まれた手帳と精神障害者保健福祉手帳。女性は「これからもっと仕事を頑張りたい」と話す=13日、千葉県内
発作の時刻が書き込まれた手帳と精神障害者保健福祉手帳。女性は「これからもっと仕事を頑張りたい」と話す=13日、千葉県内

 千葉県に住む女性(48)は3年前、交付されたばかりの緑色の手帳をぼんやりと開いた。自分の写真が目に飛び込んできた。「精神障害者だったんだ」。受け入れるしかなかった。幼い頃からてんかんを抱える女性にとって働き続けるための選択だった。
 「針をなくすと怖いから」。専門学校を卒業後に就職した着物の縫製会社で上司に言われた言葉を、昨日のことのように覚えている。月5回程度、1、2分間ぼーっとする発作が起きる。当時もそうだった。少人数のグループで針仕事をしていると、突然動きが止まってしまう。意識が戻り顔を上げて同僚の冷たい視線に気付く。「あ、今発作が起きたんだ」。1年ほどたった時、上司に呼ばれた。退職を促された。
 次に勤めたワイシャツの製造会社では、初めて発作が起きた後に上司に持病の有無を聞かれ、てんかんであることを伝えた。以降、発作後に気付くと作業場から外されていた。体調が回復して作業に戻ろうとしても、「まだ休んでいて」。結婚するまで勤めたが、ずっとわだかまりがあった。
 発作への偏見と過剰な対応-。慣れてはいるが、生活に直結する仕事に影響するとなると話は別だ。
 「理解してもらえない人たちの間で苦しい思いをするなら、手帳を持った方がいい」。ファミリーレストランなどのパート先で、てんかんを理由に仕事を制限されたり断られたりすることが続き、夫に勧められた。病院でも、税金の控除や交通機関のサービスなどが受けられるからと精神障害者保健福祉手帳の取得を提案されていたが、自分自身を「障害者」と認めたくなかった。

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