静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

第1章 車社会とのはざまで(3) 過失判断、相反する見解

(2018/2/12 14:02)
てんかん発作が事故原因となった可能性を指摘し、「不起訴不当」とした静岡検察審査会の議決文
てんかん発作が事故原因となった可能性を指摘し、「不起訴不当」とした静岡検察審査会の議決文

 慎重な上にも慎重を重ねた捜査だったことは、費やした時間からもうかがえる。2016年2月2日、藤枝市の薬局に乗用車が突っ込み、4人が死傷した事故。現場手前の丁字路を曲がろうとせずに車がまっすぐ加速した不自然な状況や、運転していた元警備員男性(66)の「ぼーっとしていた」という当時の証言を考慮すれば、静岡地検がてんかん発作を理由に男性を起訴してもおかしくなかった。だが、地検は事故から1年2カ月後、不起訴処分との判断を下した。
 原因究明のため、地検は鑑定留置を2度も延長して男性の健康状態を徹底的に調べた。浮かび上がった疾患は「てんかん」と「ジスキネジア」。両方とも突然、意思通りに体が動かなくなるという点で似ている。どちらが原因でも、男性が症状を自覚した上で適切に治療や薬の服用をしていなかった過失を証明することで起訴は可能だ。一方、症状の認識がなく事故の予測ができない場合は、過失があったとまで言えなくなる。男性を罪に問えるかどうかの岐路だった。
 最終的に地検が導き出した結論は、「ジスキネジア」だった。男性は「事故直前まで意識があった」と語る。地検は事故時の状況が男性のてんかん発作の症状とは異なると判断したとみられる。ジスキネジアの発症の予測可能性を問うことも難しかった。

無知の知の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト