静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

首長アンケート(番外)静岡大防災総合センター・岩田教授に聞く

(2017/5/26 11:35)
想定される異常のケース
想定される異常のケース
防災対策のレベル化のイメージ(住民避難の場合)※内閣府の資料などを基に作成
防災対策のレベル化のイメージ(住民避難の場合)※内閣府の資料などを基に作成

 大規模地震対策特別措置法(大震法)見直しを含めた南海トラフ沿いの地震の防災対応の在り方について中央防災会議の有識者ワーキンググループ(作業部会)で進む議論を踏まえ、知事が作業部会の委員を務める静岡、高知両県の市町村長を対象に、静岡新聞社が実施したアンケート。自らも作業部会の委員であり、連載第1章「強化地域アンケート」で分析を担った岩田孝仁静岡大防災総合センター教授(防災学)に調査結果について聞いた。

 ―「警戒宣言」の仕組みは必要という回答が大多数を占めた。
 「首長の多くは不確実な地震予測しかできないと分かっていながら、警戒宣言の仕組み自体は必要と考えていることが調査結果から読み取れる。大地震が起きるかもしれない時にA市は避難勧告を出し、B市は出さないなどというモザイク状の対応にならないよう、警戒宣言で一律にスイッチを押してもらいたいということだろう」

 ―避難勧告を出せる日数は3日~1週間という回答が多かった。
 「何らかの示唆を与えてくれるデータが示されれば、それに基づいて判断するということ。そのデータを用意するのが地震学者の大切な役割で、地球科学的な作業は今後も続けていく必要がある。地震学者は議論にブレーキをかけるのではなく、積極的に情報提供をしてほしい」

 ―問5の最も懸念される状況としてケース1、2を選ぶ首長が総じて多かった。静岡県だけみると最も多い回答はケース4だった。
 「首長はケース1、2の危機感はおおむね理解しているようだ。ひずみ計が異常を示すケース4が静岡県で多いのは40年間染み付いた意識の表れだろう。高知県でケース2が多いのは2016年4月1日に三重県南東沖でマグニチュード(M)6・5の地震が起きるという類似状況が発生し、高知県が市町村に注意喚起の文書を送った影響とみられる」

 ―「国への要望」では根本的な仕組みづくりや予算措置への配慮を望む声が多かった。
 「市町村長は、規制の緩和や財源の手当て、まちづくり関連の法律なども巻き込んだ全体の仕組みづくりの議論が充実していくことを望んでいるのではないか。大震法の見直しと言っても警戒宣言という入り口の議論に終始する必要はなく、広い視点で考えるべきだ」

 ■回答自治体一覧(順不同)(丸数字は沿岸自治体、黒丸数字は内陸自治体)
 <静岡県>(1)湖西市(2)浜松市(3)磐田市(4)袋井市(5)掛川市(6)御前崎市(7)牧之原市(8)吉田町(9)焼津市(10)静岡市(11)富士市(12)沼津市(13)伊豆市(14)西伊豆町(15)松崎町(16)南伊豆町(17)下田市(18)河津町(19)東伊豆町(20)伊東市(21)熱海市(22)森町(23)菊川市(24)島田市(25)川根本町(26)藤枝市(27)富士宮市(28)御殿場市(29)小山町(30)長泉町(31)裾野市(32)清水町(33)函南町(34)三島市(35)伊豆の国市

 <高知県>(1)宿毛市(2)大月町(3)土佐清水市(4)四万十市(5)四万十町(6)中土佐町(7)須崎市(8)高知市(9)南国市(10)香南市(11)芸西村(12)安芸市(13)安田町(14)田野町(15)奈半利町(16)室戸市(17)東洋町(18)檮原町(19)津野町(20)佐川町(21)越知町(22)仁淀川町(23)日高村(24)いの町(25)土佐町(26)本山町(27)大豊町(28)香美市(29)馬路村(30)北川村

静岡県
静岡県
高知県
高知県

沈黙の駿河湾 東海地震説40年の記事一覧

ロード中 関連記事を取得中...

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト