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大雨時避難発令の判断「不安」9割 静岡県内市町の防災担当者

(2015/10/3 07:27)

 9月に浜松市を中心に浸水被害などを出した台風18号の接近に伴う大雨とその後の関東・東北豪雨を受け、静岡新聞社が県内全35市町に「大雨などの防災情報伝達」について尋ねたアンケート調査で、約9割の市町の防災担当者が避難勧告などの判断に不安を感じている実態が明らかになった。
 大雨で水害や土砂災害などの危険が迫った時に発する避難勧告・避難指示の判断に「不安がある」としたのは31市町。理由(複数回答)として15市町の担当者が「職員の習熟度不足」を挙げた。「住民の避難行動につながらない」(12市町)「発令マニュアルの内容が不十分」(11市町)など回答は多岐にわたり、「地区ごとに地形特性が異なる」「『空振り覚悟』で発令するが、信頼性と住民の負担を考えると最後まで不安」「ゲリラ豪雨など急激に状況が進展する場合への対応」などと具体的に記述する市町が少なくなかった。
 避難勧告などを判断する際に困難な点(複数回答)については約7割の24市町が「発令のタイミング」、それぞれ18市町が「気象・防災情報の読み取り」「発令対象区域の絞り込み」と回答した。
 過去の災害では、市町が勧告などを出しても住民の避難行動には結び付かなかったケースが目立つ。今回の大雨でも浜松市は7万人以上に避難指示を発令したが、実際に避難所に向かった住民はごくわずか。アンケートでも12市町の担当者が「発令しても住民の避難行動につながらない」と答え、「“空振り”が続くと、住民の避難への意識がさらに低下するのでは」と懸念する声もあった。
 県は大雨などの災害に備えるため、国・気象台と連携して雨量や河川水位、土砂災害警戒情報などを各市町に提供し、全市町を対象にした研修や訓練も毎年数回実施している。県危機管理部の担当者は「市町に的確なアドバイスができるよう、県職員も判断力を磨いている。各市町の担当者には『早めの判断』で決断してほしい。住民も自らの身を守るため、最悪の事態を想定して避難行動を取って」と呼び掛ける。

<メモ> 国の「避難勧告などの判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」改定 国は災害対策基本法の改正や特別警報の運用開始などを踏まえ、2014年度にガイドラインを改定し、市町村に「空振りを恐れず、早めの判断」を求めた。ガイドラインではほかにも、避難所への避難だけでなく、屋内にとどまって安全を確保する“垂直避難”の考え方を明示した。市町村の判断基準については、気象・防災情報を利用し、定量的で分かりやすい指数を設定するという指針を示した。14年8月の広島市の大規模土砂災害を受け、国は15年8月にも土砂災害を中心にガイドラインを見直した。県内各市町はそれぞれにマニュアルの見直しを進め、現在も16市町が改定作業中。

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