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再考「添加茶」 施策の死角(1)条例廃止反対

(2018/2/2 11:30)
静岡空港(左)周辺に広がる茶園。茶の中心地として「場の力」を生かせるか=1月31日、島田市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
静岡空港(左)周辺に広がる茶園。茶の中心地として「場の力」を生かせるか=1月31日、島田市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 緑茶に何かを混ぜるには許可が必要と定めた静岡県製茶指導取締条例の廃止方針を、県は新商品開発を促す茶業振興策だと説明した。しかし、県民の多くは廃止に反対した。着味発色した茶の流通を不安に思う人たちの姿は死角に入って見えなかったのか、見ようとしなかったのか―。
 施肥が行き届いた牧之原市の茶園を、生産者で農業経営士を四半世紀務めてきた赤堀有彦さん(65)が巡回する。「この地域の茶業者は一匹おおかみが多く皆、前へ前へと努力してきた」。言葉の端々に全国屈指の産地を支える自負心がのぞく。
 県の製茶条例廃止方針に、いち早く、市を挙げて反対したのが牧之原市だった。
 赤堀さんだけでなく、多くの関係者が産地ブランドへのダメージに危機感を抱いた。ある茶生産研究グループは県外の添加茶を入手し、地元のかぶせ茶と色や味を比較。メンバーの50代生産者は「色の見分けがつかなかった」と顔をしかめた。
 「日本茶の歴史を見ると、牧之原は新興産地。だからこそ努力を続けてきたし、チャレンジ気質が息づいている」。JAハイナン(本店・同市)営農企画課長の藤田健一郎さん(45)は言い切る。生産12年目を迎えるブランド被覆茶「望(のぞみ)」の立ち上げから関わり、生産者の心意気を実感してきたからだ。
 旧幕臣が不毛の牧之原台地に茶園開拓で入植したのは明治2(1869)年。貴重な輸出品だった茶の増産を目指して刀をくわに持ち替え、開墾を諦めなかった士族らの労苦が語り継がれる。
 今でこそ代名詞となった深蒸し茶も、当地の弱点を克服するための技術革新だった。温暖で日照時間が長いため厚く育った茶葉を長く蒸すことで酸化酵素を抑え、苦みが和らぎまろやかになる。

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