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「争点」の現場(3)働き方改革 「長時間労働」旧態依然

(2017/10/14 11:00)
先進的な働き方をする「NOKIOO」の社員ら。立ったままの会議も行う=10日、浜松市東区
先進的な働き方をする「NOKIOO」の社員ら。立ったままの会議も行う=10日、浜松市東区

 「残業を減らすように会社は呼び掛けるけど、居残りをするか、家に持ち帰らないと仕事が間に合わない」
 静岡県中部のサービス業で働く20代の女性は「隠れ残業」の常態化を明かす。勤務記録には「午後7時」と終業時間をつけるものの、実際は2~3時間残業する日がほとんど。会社では、電通新入社員の過労自殺を機に働き方改革や長時間労働の是正を促す動きがあるが、「実態が伴わず、現場で判断せざるを得ない」と漏らす。
 共働きで子育てをしながら県西部のメーカーの管理部門で働く30代の男性は、「男性も育休を認められているが、子どもの急病などで早退や中抜けをすると、肩身が狭い。いくら家で仕事をしても、会社で長時間働いていないと評価されない」としみじみ語った。
 浜松市東区のITベンチャー「NOKIOO(ノキオ)」は2011年の設立時から、ITの活用で柔軟な働き方を推進している。子育てや介護、旅行などの都合に合わせて自宅や出先から仕事、会議をする「リモートワーク」を実施したり、慣れ親しんだ個人のパソコンの業務使用を認めたり―。
 こうした個々の裁量で働くことができる環境づくりは「社員がやる気と能力を最大限発揮するために必要」と設立メンバーの一人、小田木朝子さんは強調する。転職してきた社員は「会社にいる時間が短くても後ろめたさを感じずに働くことができる」「子どもと過ごせる時間が増えた」「性別や労働時間にとらわれず、仕事で評価されてうれしい」と口をそろえる。
 日本生産性本部によると、日本の1時間当たりの労働生産性は15年、先進7カ国(G7)の中で最低。厚生労働省「16年版働く女性の実情」では、県内の民間企業の管理職に占める女性の割合は5・6%(全国8・2%)と全国ワースト2位だ。
 県立大国際関係学部の犬塚協太教授(社会学)は「男性中心の雇用環境で長時間労働の常態化が問題の根源」と分析する。ノー残業デーなどの取り組みを評価しつつ、少子高齢化社会を踏まえ「男女に関係なくワークライフバランスを実現する抜本的な改革こそが、会社の成長にも労働者のモチベーションにもつながる」と指摘した。

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