静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

地域の課題(衆院静岡3区)茶業振興 難局打開 施策に期待

(2017/10/14 11:00)
秋冬番茶の摘採作業を進める生産者=11日午前、掛川市内
秋冬番茶の摘採作業を進める生産者=11日午前、掛川市内
磐田市 掛川市 袋井市 菊川市 森町 御前崎市のうちの旧浜岡町 浜松市天竜区のうちの旧春野町
磐田市 掛川市 袋井市 菊川市 森町 御前崎市のうちの旧浜岡町 浜松市天竜区のうちの旧春野町

 秋空の下、乗用型摘採機の軽快なエンジン音が響く。公示翌日、掛川市内の茶畑では番茶の刈り取り作業が盛期を迎えていた。「昔は一番茶、二番茶の収入で十分だった。でも今は秋冬番茶で諸経費を支えないとやっていけない」。一服した男性(37)はぼやいた。
 農家が茶商に販売する荒茶の平均価格は一番茶が1キロ当たり2千円台、二番茶が700円前後。ティーバッグやドリンク用に需要が年々高まる秋冬番茶は今シーズン、400円前後の堅調相場で取引されている。
 静岡県の茶産出額は10年前の半分近くに、仕上げ茶の製品出荷額は約3割(500億円)減少した。茶業経営は難局にある。
 旧民主党政権時代の2011年、お茶振興法が施行された。県も16年に児童生徒静岡茶愛飲条例を制定。掛川市の生産者の男性(49)は「需要拡大の意気込みはありがたいが、現場で効果は感じない。具体的な施策で示してほしい」と要望する。安倍晋三政権が進めた環太平洋連携協定(TPP)交渉で緑茶はコメや牛・豚肉など5品目と違い輸入増の影響なしとされ保護の対象外だった。それどころか、和食の世界無形文化遺産登録を弾みに輸出増を期待された。現場の苦境を理解しているとは思えない農政に不満がくすぶる。
 打開策は自力でと、例えば五明茶業組合(掛川市)は16年、地元が天体観測の名所であることを生かし、パッケージに星空の写真を用いた新商品「彗星」を開発。茶畑を会場に天体観測会を開催した。企画担当の堀井聡さん(38)は「消費者ニーズをつかまなければ生き残れない。どうしたら消費者と接触できるかを考えた」と説明する。
 これまで茶商に任せきりだった宣伝や販売に踏み出そうと参加した講習会で、茶畑と星空をつなぐアイデアが生まれた。手応えを感じる堀井さんは「新たな挑戦には体力が必要」と、継続的な経済支援の必要性を訴える。
 消費者とのつながりで決め手になる信頼性について、県が7月表明した製茶指導取締条例廃止方針の議論が続いている。どうすれば茶どころのブランド力維持と新商品開発を両立できるか。五明茶業組合の松浦広司組合長は「若い人が希望を持って就農できる環境づくりへ政策で道筋を示してほしい」と望む。

 

衆院選(連載企画)の記事一覧

ロード中 関連記事を取得中...

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト