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しずおか駅舎探訪(14)JR東海・小和田駅(浜松市天竜区)

(2017/10/6 11:00)
待合室に置かれた「思い出ノート」を眺める旅行者=浜松市天竜区水窪町奥領家のJR小和田駅
待合室に置かれた「思い出ノート」を眺める旅行者=浜松市天竜区水窪町奥領家のJR小和田駅
JR東海・小和田駅(浜松市天竜区)
JR東海・小和田駅(浜松市天竜区)

 ■ノートにつづられた物語
 静岡、愛知、長野3県の県境近くに、全国屈指の“秘境駅”と呼ばれるJR東海飯田線小和田駅(浜松市天竜区水窪町奥領家)がある。駅前に家や店は1軒もなく、車で行くこともできない。1956年の佐久間ダムの完成で駅近くの集落は水没し、現在では一番近い集落まで徒歩40分もかかる。
 駅に降り立つと、待合室に置かれた「思い出ノート保管箱」が目に入る。中には、駅の利用者が思い思いの言葉を残したノートが、数冊ごと10のファイルに入っている。秘境駅を体験しようと、共に石川県から訪れた田原綾さん(41)と弁谷智菜美さん(48)は「すごい数のノート」と驚き、早速、自身も書き込んだ。
 「仕事に疲れて癒やされに来た」「彼氏と思い出づくりに」-。ノートには、秘境駅にやってきた理由がつづられている。最初のノートには「昭和54年(1979年)1月18日」の日付。ここには、旅人が38年にわたって紡いだ駅の物語がある。
 JR東海静岡支社によると、ノートは有人駅だった当時、駅員が駅を訪れた人の思い出づくりに置き始めた。無人化後は、駅を訪れるファンが、自主的にノートを補充しているという。
 駅は皇太子さまと雅子さまがご結婚された1993年、雅子さまの旧姓にあやかりブームが訪れた。ノートをたどると、それからしばらくはカップルの来訪が多かったようだ。当時、旧水窪町役場で産業係長や商工観光係長を務めた守屋盛明さん(65)は「貸し切り列車も走るほどの人出だった」と懐かしむ。
 それから24年。今は駅自体を楽しみに来る人が圧倒的。守屋さんは「今も駅を訪れ、ノートを大切に残してくれる人たちがいてうれしい」とほほ笑んだ。

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