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しずおか駅舎探訪(12)大鉄・アプトいちしろ駅(川根本町)

(2017/9/15 11:00)
連結されるアプト式の電気機関車。2本のレールの間にもう1本、歯型の太いレールがあるのが見える=川根本町梅地のアプトいちしろ駅
連結されるアプト式の電気機関車。2本のレールの間にもう1本、歯型の太いレールがあるのが見える=川根本町梅地のアプトいちしろ駅
アプトいちしろ駅(川根本町)
アプトいちしろ駅(川根本町)

 ■急坂けん引機関車控える
 蒸気機関車(SL)列車の終点としてにぎわう大井川鉄道の千頭駅で、さらに北に進む井川線に乗り換えて40分。小さな列車は周囲に人家のない“秘境駅”のアプトいちしろ駅(川根本町梅地)で、しばし停車する。
 小休止の理由は、千メートル進むと90メートル上がる急勾配。一つ先の長島ダム駅まで続く。急坂を登るため、両駅間だけの専用機関車を連結する作業を行う。
 この区間には、全国唯一の「アプト式鉄道」が敷かれている。アプト式とは、2本のレールの間に、きざみのついた歯型のレールがもう1本敷かれ、専用機関車に付いた歯車とかみ合わせて坂を登り下りする。
 アプトいちしろ駅の小ぶりな駅舎は、アプト式機関車の運転士詰め所を兼ねる。「井川線はディーゼル機関車で動くが、アプト式機関車は電気機関車。運転免許も別」。同線の運行を管理する南アルプスアプトセンター運輸担当副長の川崎敏昭さん(58)が説明する。
 全ての運転士が両方の免許を持っているわけではない。車庫がある同駅には終日、アプト式機関車のための運転士が詰める。
 アプト式の区間は、長島ダムの建設に伴う線路の付け替えで1990年に開業した。川崎さんは87年、同鉄道がアプト式機関車運転士を養成するため募集した社員の一人だ。
 免許を取得後は、開業前の新線で、1年近く試運転を繰り返した。急坂途中での発進や、通常のブレーキが利かないことを想定した試験などを重ねた。「めったにない経験ができた」と振り返る。
 あと少しで紅葉の季節。3月には、土砂崩れで2年半不通だった接岨峡温泉-井川駅間の運転も再開した。「ダム湖に映る紅葉と、アプト式鉄道を多くのお客さんに楽しんでほしい」と願う。

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