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しずおか駅舎探訪(10)JR東海・藤枝駅(藤枝市)

(2017/8/25 11:00)
藤枝駅開業当時の雰囲気を今に伝えるホーム上の油庫=藤枝市駅前
藤枝駅開業当時の雰囲気を今に伝えるホーム上の油庫=藤枝市駅前
JR東海・藤枝駅(藤枝市)
JR東海・藤枝駅(藤枝市)

 ■ホームに残る明治の面影
 マンションやビルの建設が相次ぎ、周辺が活気づくJR東海道線の藤枝駅(藤枝市駅前)。朝に2本だけしか電車が止まらない1番線ホームの一角に、古めかしいレンガ造りの小さな建物「油庫[あぶらこ]」が残る。
 「駅の中にここだけポッと“明治”がある」。岩崎孝章駅長(57)は、現代的な橋上駅舎とのギャップをこう表現する。油庫は1889(明治22)年4月、駅の開業と同時に造られた。同年の7月、ようやく東海道線の東京・新橋-神戸間が全通したころ。客車にはまだ電灯がなく、ランプで明かりをともしていた。油庫にはランプの油が保管され、「ランプ小屋」とも呼ばれた。
 油庫はその後、レールのポイントに差す油などを保管した。現在も倉庫として活用されている。県内では東海道線の原駅(沼津市)にも現存するが、藤枝駅の方が10年ほど古い。屋根瓦は2007年に新しくふき替えられ、窓枠なども建造当時とは違うが、明治の雰囲気を色濃く今に伝える。
 壁は、レンガの長手と小口を交互に積む「フランドル積み」でできている。明治前期に主流だった積み方で、世界遺産の富岡製糸場(群馬県)などでも見られる方式だ。ドアや窓の周囲に施されたアーチは、古いトンネルの出入り口のような趣がある。
 現役とはいえ、利用頻度は高くない建物。06年に駅舎が建て替えられた際には、取り壊しの話も出た。「明治の建造物が残る駅は、全国的にも減っている。歴史的価値を考え、残す判断をした」。生き残った油庫は、藤枝の街と人の移り変わりを今日もホームから見つめ続ける。

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