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しずおか駅舎探訪(4)JR東日本・伊東駅(伊東市)

(2017/7/7 11:00)
ポリ容器入りのお茶を手にする稲葉光雄さん。80歳の今も週5日、1日4時間店に立つ=伊東市湯川の伊東駅
ポリ容器入りのお茶を手にする稲葉光雄さん。80歳の今も週5日、1日4時間店に立つ=伊東市湯川の伊東駅
伊豆急行・伊東駅
伊豆急行・伊東駅

 ■昔懐かしポリ容器のお茶
 全国有数の温泉地伊東。玄関口の伊東駅(伊東市湯川)の一角に出店して58年の駅弁店「祇園」が店を構える。入社50年を超えるベテラン販売員稲葉光雄さん(80)は、今も週5日、看板商品のいなりずしを並べ、客を迎える。
 「お客さんは『まだ売っているんだ』と懐かしんで買っていく」と手にしたのは、今では珍しいポリ容器に入ったお茶。かつては駅弁店でよく見掛けたキャップが湯飲みになる容器だ。伊東の名産「ぐり茶」のティーバッグを入れた容器にその場で250ミリリットルの湯を注ぎ、130円で販売する。
 ポリ容器入りのお茶は、1960年代に陶器製の茶瓶に代わって普及した。当時、木箱を下げてホームで立ち売りしていた稲葉さんは、「陶器の頃は重くて、腰にたこができたが、ポリ容器になってだいぶ楽になった」と振り返る。しかし、90年代に手軽なペットボトルが登場すると、急速に姿を消した。
 同社の守谷匡司社長(46)は「ポリ容器のお茶は、1日に売れて数個。正直、もうかる商品ではない」と明かす。販売する駅弁店も全国にごくわずか。容器を仕入れていたメーカーが製造をやめた際は、代わりの会社を探して販売を継続した。
 こだわりを持って店に並べ続けるのは、旅の楽しみになればと考えているから。コンビニの台頭などで、全国の駅弁業者もこの30年で約400社から100社ほどに激減した。「私たちは旅行客あっての商売。お客さんの喜ぶ商品を提供したい」。その思いは、稲葉さんも同じ。「お客さんの笑顔が仕事の励み」。体の続く限り、店に立つつもりだ。

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