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<マンゴー生産者>さいもファーム(静岡市駿河区)

(2018/5/21 11:00)
新しい静岡名物に育てようとマンゴーの栽培に奮闘する才茂祐二さん
新しい静岡名物に育てようとマンゴーの栽培に奮闘する才茂祐二さん
つるし金具と反射板
つるし金具と反射板

 静岡市駿河区久能の国道150号線北側に連なるビニールハウス。イチゴや葉ショウガが多い中、この地で5代続く農家の才茂祐二さん(57)=同市同区=のハウスからは甘い香りが漂う。香りの正体はたわわに実るマンゴー。南国かと思うような光景が広がる。
 「全体が赤く色づいたら完熟までもう少し。今年は例年より出荷が早まりそう」と笑顔を見せる才茂さんがマンゴー栽培を始めたのは17年前。葉ショウガとイチゴに加え、新しい産品に挑戦したいと考えていた時に、河津町のマンゴー生産者を新聞で知った。伊豆で育つなら日照量が豊富な久能でも育つのではないか-。根っからの探究心に火が付き、早速沖縄から苗を取り寄せ、試験栽培を始めた。
 温度管理や、作業しやすく低木に仕立てるせん定、摘果と収穫するタイミングの見極めなど試行錯誤の日々。何度も壁に直面したが栽培から数年後、宮崎県産マンゴーが注目を浴びるのを見て「将来性がある」と確信。本腰を入れることを決め、7年の試験栽培を経て2008年、初出荷にこぎつけた。今では約1700平方メートルに5品種200本を栽培する。
 大産地では収穫を早め、収量を増やすために冬も暖房で夏の気温まで加温するが、なるべく自然の力で育て、コストも抑えたいと暖房は控えめにする。その分、微生物を活用した肥料作りや樹上完熟にじっくり時間をかける。「成長を急ぐと舌触りや濃厚な甘み、香りに影響が出る」というのが持論だ。
 今年で出荷を始めて11年目。周囲の勧めで「久能山檬果[マンゴー]」と名付け、少しずつ存在が知られるようになった。
 北には冷たい風から守ってくれる久能や有度の山、南には暖かい風を送り込む駿河湾。「まさにこの土地の恩恵がつまった味。名前に恥じない新しい静岡名物を大切に育んでいきたい」。重みを確かめるように果実にそっと手を添え、まもなく始まる出荷に向けて、気を引き締めた。

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