静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

<熱帯植物園学芸員>熱川バナナワニ園(東伊豆町)

(2018/3/5 11:00)
南米パラグアイで自ら採集したチランジアをいとおしそうに手にする清水秀男さん
南米パラグアイで自ら採集したチランジアをいとおしそうに手にする清水秀男さん
剪定バサミ
剪定バサミ

 25年前に原産地の南米パラグアイで採集した熱帯植物のチランジアを手に、熱川バナナワニ園(東伊豆町)学芸員の清水秀男さん(67)は言う。「開花に5年、10年かかることも珍しくない。だから咲いた時の喜びは大きい」
 くねくねとうねる葉のライン、銀色のビロードのような質感、爬虫[はちゅう]類を連想させるまだら模様、野趣あふれる見た目からは想像できない色鮮やかな花-。個性豊かなチランジアは、観葉植物として人気上昇中だ。
 土がなくても育ち、エアプランツとも呼ばれる。日本で流通し始めた1992年、国内で初めて栽培家のための専門書を執筆した清水さん。ブームの礎を築いた第一人者に、全国の愛好家が助言を求める。
 東京都の出身。小学生の頃、サボテンを育てたことがきっかけで植物に興味を抱いた。東京農大在学中は遺伝育種を専攻。卒業後、前職で新規植物園の開園準備に携わり、展示植物の採集を任され、メキシコに1年間赴いた。
 滞在中、荒涼とした岩場やサボテンの幹、電線など至る所に着生して育つチランジアが目に留まった。「日本人が見たこともない植物が世界にはあふれている。自分の手で栽培し、多くの人に見せたい」。未知なる植物との出合いが新たな挑戦へと駆り立て、現職に就いて40年がたった。
 チランジアは何も手を掛けなくても育つと思われがちだが、それは環境が合えばの話。温度と湿度、風の循環など、最適な条件を見つけるため、ドイツ語や英語の文献と首っ引きだった。その分、「開花に成功した時の気分は天国」で、長年丹精した株を枯らす「地獄も味わってきたから、余計にそう感じる」と笑う。
 種類が豊富な熱帯植物は宝の山。「園芸植物化されていない原石を見つけ出し、一日も長くベストな状態でお客さんに見てもらう。それがプロとしての矜持[きょうじ]」。状態を見る手を休めることなく、言葉に力を込めた。

ソノ仕事×コノ絶景の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト