静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

<木工職人>ワンハンドファニチャー(静岡市葵区)

(2018/1/15 11:00)
スケートボードの仕上げに取り掛かる杉山光明さん。「インテリアのようなたたずまい」にこだわる=静岡市葵区
スケートボードの仕上げに取り掛かる杉山光明さん。「インテリアのようなたたずまい」にこだわる=静岡市葵区
インテリアブック
インテリアブック

 家具の展示室から作業場へと続く戸を引くと、木の香りと機械音があふれ出した。作業台にはオーバル型の木板がずらり。「ワンハンドファニチャー」(静岡市葵区)の店主杉山光明さん(44)はスケートボード職人としての顔も持つ。「インテリアのようなたたずまい」にこだわり、ボードを一つ一つ丁寧にやすり掛けして仕上げる。
 祖父の代から続く家具製作所の3代目として、素材選びから組み立て、納品までを一貫する「ワンハンド」を信条とする。心酔する1960、70年代の米国カルチャーへの思いがはじけ、「家具職人にしかできないスケートボードを作る」と決意したのは8年前。日本伝統の木工技術を駆使し、無垢[むく]の木材のみで作り上げている。
 まずは素材選びに目を光らせる。良質な木を見極めて調達し、さらに木目が美しい部分だけを選び出す。柔軟性と強度のバランスを求め、試行錯誤の末にたどり着いた「門外不出の板厚」(杉山さん)に整え、ボードの形に切り出す。
 真骨頂は、スピード調節などに使う尾部の突起「キック」の取り付け。板に切り込みを入れ、木片を挟み込むことで成形する。木工伝統の「曲げ」の技術だ。板の表層が割れないよう、経験と感覚を頼りに木片を挿し込んでいくと、ぴたりとはまった。「初めから一つの板だったかのような仕上がりを目指している」。細部へのこだわりにも、プライドが息づく。
 天然オイルが染み込んだボードは、使い込むほどに変化が楽しめる。スケートボーダーが育てていく中で、木そのものの美しさを感じてもらうことが職人としての本望だ。「ボードがあめ色になった頃に、木と共に過ごす生活に豊かさを感じてくれていたらうれしい」

ソノ仕事×コノ絶景の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト