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<消防学校教官>静岡県消防学校(静岡市清水区)

(2017/8/7 11:00)
「足でリズムを取って進め」。高所のロープを渡る生徒に声を掛ける伊勢伸康さん(右)
「足でリズムを取って進め」。高所のロープを渡る生徒に声を掛ける伊勢伸康さん(右)
ワッペン
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 ビル4階の高さに、長さ20メートルのロープが張られた。二つの建物の間を消防士の卵たちが、ロープを頼りに渡っていく。「力を抜け」「足で蹴って進め」。静岡県消防学校(静岡市清水区)初任科のチーフ教官伊勢伸康さん(40)が、拡声器を手に声を張り上げる。「速く行けるかよりも、無駄な力を使っていないかを見る」。たどり着けても、体力を消耗しては救助ができない。常に“本番”を意識して訓練に当たる。
 初任科は、県内16消防本部に今春採用された109人が、半年間寮生活で訓練を積む。9月に卒業すれば、すぐ現場に出動する。「一つとして同じ現場はない。現場で何を見ればいいかを伝えている」。適切な判断を下す“目”を養う訓練を心掛ける。
 教官たちは、県内の各消防本部から派遣された精鋭。志太消防本部(藤枝市)から出向の伊勢さんは、12人いる教官のリーダー格だ。焼津市出身で、三重県の商船高専を卒業後、年子の兄を追って同じ消防士の道に進んだ。救助隊や予防課でキャリアを積み、2年前から教官を務める。「自分が入校時の教官は今も憧れの存在。いつか教官になって、近づきたいと思っていた」。出向の要請に二つ返事で応じた。
 講義では、実体験した現場を取り上げる。床が抜けそうなほど激しく燃える火災現場。そこに「2階に2人の子どもがいるかもしれない」との情報が飛び込む。人命救助と隊員の安全確保、どちらを優先するか-。
 「学校で教えられるのは限られた例。経験のなさを補うような訓練をしている」。木材が燃えるコンテナの中で、温度を測り、数字と熱さを感覚で結び付ける訓練も行う。
 生徒たちが巣立つまであと2カ月足らず。「入校した時の志を持ち続け、努力を続けてほしい」。自身も3年の出向期間の最終年度。教官に憧れた初心を胸に指導に当たる。

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