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<プロレスマスク職人>プクプク工房(浜松市中区)

(2017/3/6 11:00)
プロレスマスクをかぶせたマネキンに向かい、目鼻の位置を確かめる神谷淳さん。装飾を凝らして強そうな顔立ちに仕上げる
プロレスマスクをかぶせたマネキンに向かい、目鼻の位置を確かめる神谷淳さん。装飾を凝らして強そうな顔立ちに仕上げる
ヘッドマネキン
ヘッドマネキン

 浜松市中区の住宅街に店を構える「プクプク工房」。ミシンが小刻みに音を立てるアトリエに、覆面レスラーのカラフルなマスクが並ぶ。プロレスマスク職人の神谷淳さん(45)が、薄手の生地をかぶせたヘッドマネキンを四方から眺める。
 マスクの下生地は、伸縮性のあるラメ素材。「強そうな顔立ちは必須。ヒーローでも悪役でも、マスク作りはレスラーのコンセプトを具現化する作業」。目鼻の位置を定め、合皮を貼り付けた模様でキャラクターを表現する。ミシンで縫い付け、ひもを通すまで、全ての工程が手作業だ。
 小学生の頃、テレビで見た初代タイガーマスクに心を奪われた。子供にも買えるグッズが限られる中、家にあった紙袋でマスクを作った。「もちろん全然違ったけど、もっとうまくできそうだと思った」。本格的に作りたくなり、母親に手縫いを教わり、ミシン掛けにも挑戦した。
 5年の時、タイガーマスクの覆面を請け負っていた職人、豊嶋裕司さん(67)に作品を見てもらおうと、怖いもの知らずで上京した。「地方から訪ねて来た子供を相手に、丁寧に教えてくれた。うれしくて、時間も小遣いもつぎ込んで一人黙々と練習した」。中学時代に作ったマスクは、都内のプロレスグッズの専門店でも一目置かれた。
 デザインの提案は、職人にとって腕の見せどころ。入場時に重ねてかぶる「オーバーマスク」は、角や舌など過剰とも言える装飾を付け、「どれだけのインパクトを出せるかの勝負。観客のわくわく感を高めるショーでもある」。レスラーのファンサービスを後押しする自負がある。
 店を開き、一般人からの注文が少なくないことは発見だった。プロレスファンの夫婦は、観戦デビューする子供のために欲しいとうれしそう。市民マラソンに出場するランナーからは、闘争心にスイッチを入れるためと聞かされた。
 全国でも本職は数えるほど。珍しがられる仕事に、「こんな形のものづくりもあるのかと、興味を持つ人がいてくれるといい。何でも教えたい」。地域貢献にも熱心な起業家の素顔を見せた。

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