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<剪毛職人>阿部剪毛(掛川市)

(2017/1/30 11:00)
定規と呼ばれる道具を布に刺し、緯糸を切る阿部美代治さん(左)の剪毛作業を見つめる光子さん
定規と呼ばれる道具を布に刺し、緯糸を切る阿部美代治さん(左)の剪毛作業を見つめる光子さん
さやと刃
さやと刃

 先端にナイフ状の刃が3本付いた「定規」と呼ばれる道具をすっと布に刺す。布が送られると糸が切れてけば立つ。緯糸[よこいと]のうね(山状)を切る「剪毛[せんもう]」は別珍独特の風合いを生む工程だ。県内に残る剪毛業者は7軒10人ほどで、いずれも70代が中心。60年以上、作業に従事する82歳の阿部美代治さん(掛川市)は、中でも最高齢だ。
 幅120センチの布の左端から順にうねを切る。その間隔は0・7~0・9ミリ。長さ110メートルの布を剪毛するのに2日かかる。「昔は定規を持って歩いて切ったんだよ」と阿部さんは笑う。同じ長さを切るのに4日間、歩く距離は60キロにも及んだという。
 別珍用の布は織り方が独特で複雑。目も細かい。「布のどこに定規を刺せばいいか最初は分からなかった」。剪毛に携わって50年になる妻の光子さん(80)は振り返る。動力で布を送る剪毛機を導入し、仕事は楽になった。それでも刃を研ぎ、湿度による布の変化を捉え、けばの長さもそろえるには長年かけて培った勘がものをいう。「うねを切った布を触れば、出来上がった別珍をイメージできる」。阿部さんの言葉に光子さんもうなずいた。

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