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クラシックホテルズ(4) 東京ステーションホテル(東京都)

(2018/4/21 00:10)
赤れんが造りが特徴の東京駅丸の内口駅舎。2、3階の大半が東京ステーションホテルの客室になっている=東京都千代田区
赤れんが造りが特徴の東京駅丸の内口駅舎。2、3階の大半が東京ステーションホテルの客室になっている=東京都千代田区
東京ステーションホテル
東京ステーションホテル

 関東大震災にも耐えた重厚な赤れんが造りで知られるJR東京駅丸の内口(東京都千代田区)。国の重要文化財に指定された駅舎2、3階の大部分は、1915年開業の「東京ステーションホテル」の客室が占める。「“見せ物”ではない、生きた文化財」。総支配人の藤崎斉さん(61)は、常に人が行き来する駅のホテルをこう表現する。
 >写真特集 クラシックホテルズ(4)
 2007年から12年まで、丸の内口駅舎は太平洋戦争の空襲で焼失した3階部分の復元工事が行われた。工事準備のため、ホテルは着工より一足早い06年から休業。3階の大半がホテル客室になったのに合わせ、既存部分も内装を近代化した。
 一方、吹き抜け構造の南口を囲む特徴的な客室は残した。3階の天井付近は、機関車の動輪や鳳凰[ほうおう]をモチーフにした装飾がよみがえった。終電から始発までの時間、静寂のドームを独り占めできる。
 12年の再開後に客室に置かれたメモ用紙は、原稿用紙のような升目が入っている。多くの作家がホテルを執筆の場に利用したことにちなんだ。江戸川乱歩の「怪人二十面相」や川端康成の「女であること」は、ホテルが作品の舞台に。東京駅のトリックが核になる「点と線」を著した松本清張も定宿にした。
 日本銀行本店を手掛けた辰野金吾設計の駅舎は、文化財保存のため、構造を変えるのにも制約が多い。エレベーターは増設できず、客室によっては廊下を50メートルほど歩かなければいけない。廊下には、開業時の写真や絵はがきを飾り、宿泊客が眺めながら少し休憩できるよう、細やかな心配りも忘れない。
 宿泊客から届く手紙には「集団就職で駅に着いた時、ホテルからオムレツの匂いが漂ってきた」「上司に連れて行ってもらった初めてのバー」と思い出が添えられる。「このホテルは、お客さまの人生が投影されている」と藤崎さん。人生の節目で交錯する「駅」という存在の大きさを日々感じている。(静岡新聞社)

 ■究極のカクテル「東京駅」
 77歳の現役バーテンダー杉本寿さんが東京駅開業75周年時に考案した赤れんが色のカクテル。ジン(タンカレー)をベースにハーブリキュールのスーズ、グレナデンシロップを加える。タンカレーとスーズの頭文字TとSを「トウキョウ・ステーション」の頭文字と掛けている。

 ■メモ
 客室数150室▽料金・3万6828円~(2人1室1泊利用、都宿泊税別)。最高級のインペリアルスイートは95万400円(同)。<電03(5220)1111>。

 ■アクセス
 JR東京駅丸の内南口改札に直結している。東京メトロ丸ノ内線東京駅から徒歩3分、羽田空港から東京モノレール、JR線で約30分。成田空港から成田エクスプレスで約1時間。

 
 

丸の内中央口の三角屋根の真下にあるゲストラウンジ「アトリウム」。壁の一部は赤れんがや鉄骨を残し、手に触れることもできる
丸の内中央口の三角屋根の真下にあるゲストラウンジ「アトリウム」。壁の一部は赤れんがや鉄骨を残し、手に触れることもできる
カクテル「東京駅」
カクテル「東京駅」

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