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クラシックホテルズ(2) 万平ホテル(長野県)

(2018/4/21 00:16)
アルプス館のメインダイニングルーム。「壁面のステンドグラスは軽井沢の時代の変遷を描いています」と山田敏彦総支配人=長野県軽井沢町
アルプス館のメインダイニングルーム。「壁面のステンドグラスは軽井沢の時代の変遷を描いています」と山田敏彦総支配人=長野県軽井沢町
万平ホテル
万平ホテル

 浅間山が悠々とデザインされたメインダイニングルームのステンドグラス。山裾をよく見ると、街道を行く馬やかごが描かれている。万平[まんぺい]ホテル(長野県軽井沢町)が、江戸時代には旅籠[はたご]「亀屋」だった歴史を伝える装飾だ。総支配人の山田敏彦さん(65)は「九つのクラシックホテルの中で、宿としての歴史は最も古いんです」と語る。
 >写真特集 クラシックホテルズ(2)
 中山道の宿場として栄えた軽井沢。明治以降は、標高約千メートルの冷涼な気候が西洋人に愛され、国際的な避暑地として発展していく。「亀屋」9代目の佐藤万平(1850~1918年)は、見よう見まねでパンや魚のフライの作り方を覚え、1894(明治27)年、軽井沢初のホテルを創業した。ふすまで仕切った個室に大工が作ったベッドを置いてスタートした。
 木立の中にある現ホテル本館のアルプス館は1936(昭和11)年の建築。日光金谷ホテル(栃木県日光市)も手掛けた久米権九郎が設計した。スイスの山小屋風の外観は、実は当地の養蚕農家をイメージしたとされ、和と洋が美しく調和する。
 作家池波正太郎(1923~90年)は10代の後半、同ホテルに初めて宿泊した時の印象を「いかにも格式が高く、それでいて、若い私たちにも親切」(「よい匂[にお]いのする一夜」)とつづっている。初代のもてなしの心は、2代目佐藤万平(1868~1958年)の「ホテルは人なり」という言葉となり、スタッフに受け継がれている。
 70年代後半には元ビートルズのジョン・レノンが毎夏、家族と宿泊した。その客室は今も利用できる。「知らずに泊まる方もいて、お伝えすると驚かれます」と山田さん。
 馴染[なじ]みの宿泊客の間では、1階でエレベーターを見送ったはずのベルボーイに、2階で出迎えられる-という昔話が語り草だ。山田さんは「旧エレベーターは速度が遅く、階段を駆け上ると先回りできた」と種明かし。10年ほど前に新調して間に合わなくなったが、「お客さまをお迎えする心は変わりません」。(信濃毎日新聞社)

 ■究極のカクテル「霧の軽井沢」
 軽井沢の高原の雰囲気を伝えるカクテルは、40年ほど前に誕生した。ウオッカをベースにブルーキュラソー、レモンを加えた爽やかな味わい。砕いた氷をグラスの底に押しつけて作ることで、白い霧のようなグラデーションを描く。

 ■メモ
 客室数109室(うちアルプス館13室)▽料金・アルプス館は1人1万5000円~(ツインルーム1泊朝食付き、2人1室利用、時期により料金が異なる)。4月より料金改定の予定。<電0267(42)1234>。

 ■アクセス
 北陸新幹線軽井沢駅からタクシーで約5分(2キロ)。上信越道碓氷軽井沢インターチェンジ(IC)から約20分。または同小諸ICから国道18号など経由で約30分。
 

正面玄関のある本館「アルプス館」は、経済産業省の近代化産業遺産に認定されている。6月には深緑に包まれる
正面玄関のある本館「アルプス館」は、経済産業省の近代化産業遺産に認定されている。6月には深緑に包まれる
カクテル「霧の軽井沢」
カクテル「霧の軽井沢」

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