静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

特別支援学校の児童生徒、地元小中へ 「交流籍」全県導入目指す

(2018/1/12 07:29)
小学校で交流し、見送られる特別支援学校の児童(中央)=2017年10月、藤枝市の葉梨小
小学校で交流し、見送られる特別支援学校の児童(中央)=2017年10月、藤枝市の葉梨小

 静岡県教委は特別支援学校の児童生徒が居住地域の小中学校で交流や共同学習に取り組みやすくするため、特別支援学校と地域の小中学校の両方に籍を持つ「交流籍」の2019年度からの全県導入を目指す。小中学校の受け入れ環境の整備に向け、各校に配布して参考にしてもらうガイドブックを18年度中に作成する。
 県教委は17年度、国立特別支援教育総合研究所と連携し、沼津市と藤枝市をモデル地域に交流籍を先行導入。ガイドブックには、学校間の書類作成や日程調整、授業内容の工夫などモデル地域の取り組みを研究し、成果をまとめる方針。
 県教委特別支援教育課によると、16年度は県立特別支援学校の児童生徒400人余りが各居住地域の小中学校約300校を訪れ、学期ごとに1~2回の交流や共同学習を体験した。交流籍の導入により、特別支援学校の児童生徒が小中学校の一員として認められて活動しやすくなり、交流の希望者も増えると期待される。
 同課は特別支援学校と小中学校の交流は障害の有無を超えた共通理解につながり、双方の児童生徒にメリットがあると強調。特別支援学校の児童生徒にとっては音楽の合奏、合唱など普段とは違った体験、交流の場となり、小中学校の児童生徒にも多様な子どもと関わり、共生社会の在り方を学ぶ貴重な機会になっていると指摘する。

 ■教員、支援員増必要に
 交流籍を全県に導入し、特別支援学校の子どもを小中学校に受け入れる取り組みを活発化するには、対応できる教員や支援員などの配置の充実、関係者の共通理解が必要だ。
 県教委特別支援教育課などによると、小中学校との交流時には特別支援学校の子どもに保護者や教員が付き添うが、教員の人的余裕はなく、現状のままでは交流の回数や時間を増やすのは困難という。
 小中学校側もこれまで以上の準備が必要になる。2017年度に交流籍を先行導入した沼津市教委の担当者は、知的障害があり、教科の授業に参加するのが難しい子どもを受け入れる場合を挙げ「総合的な学習の時間など、枠組みをどのように確保するかといった課題がある」と話す。
 同じく先行導入した藤枝市の葉梨小の大石洋明教務主任(44)は「交流籍はその地域の子どもという認識を本人も周囲も深める大事な理念。対応がちぐはぐにならないように、教職員や保護者、教委が目的や年間計画などの共通理解をしっかり持つ必要がある」と指摘した。

 <メモ>交流籍 児童生徒が特別支援学校の学籍に加え、居住する地域の小中学校にも副次的に籍を得ることで、特別支援学校と小中学校の児童生徒が地域の一員との認識を共有できるようにする仕組み。県議会12月定例会の一般質問で、田形誠氏(ふじのくに県民クラブ、浜松市南区)の質問に対し、木苗直秀教育長が2019年度の全県導入を表明した。06年度以降、長野や埼玉、岐阜、岩手など各県で導入が進んでいる。

エトセトラの記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト