静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

ウナギ稚魚の取引 闇「香港ルート」根絶へ 日台、輸出解禁急ぐ

(2017/12/6 07:30)
台湾の空港で押収されたシラスウナギが入った袋(台湾税関当局提供・共同)
台湾の空港で押収されたシラスウナギが入った袋(台湾税関当局提供・共同)
日本へのシラスウナギ密輸「香港ルート」
日本へのシラスウナギ密輸「香港ルート」

 ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の輸出を禁止している日本と台湾の関係者が、輸出再開に向けた協議を進めている。台湾から香港を経由して日本に稚魚が密輸される「香港ルート」が国際的に問題視される中、「日台の直接取引が可能になれば密輸はなくなる」として輸出解禁を急ぐ。ワシントン条約締約国会議を2年後に控え、流通の透明化をアピールして各国の批判をかわす考えだ。
 水産庁によると、日本が輸出を禁止したのは1976年。減少傾向にあった国内の稚魚を確保するとともに、台湾から安い養殖ウナギの流入を防いで価格の適正化を図った。ところが2007年には台湾も報復的に禁輸に踏み切ると、台湾の稚魚は香港を通じて需要が高い日本へ密輸されるようになる。この香港ルートが今なお存在し、ウナギの資源管理を妨げている。
 日本側は11月上旬、台湾側にウナギの輸出解禁に関する考えを提示した。関係者によると、日本がウナギを輸入する場合は台湾の産地証明書を必須条件とし、香港経由のウナギ購入は認めない方針。台湾への稚魚の輸出は近年の国内漁獲量を前提に年間3トン程度(1キロ=約5千匹)を想定し、不漁の年は一定の大きさに育った幼魚(クロコ)などで代替するという。
 一方、台湾では一部の養殖業者らが輸出の再開に難色を示し、先行きは不透明。日台両政府が輸出解禁の手続きに乗り出すには「民間同士のはっきりした合意が不可欠」(関係者)で、日台関係者による協議や説得が続いている。
 香港ルートは国際取引を制限して生物を保護するワシントン条約の締約国会議でも問題視され、密輸や闇取引などの不正が明るみに出ればウナギの輸出入が規制される可能性は高まるとされる。来夏には同会議の関係国が集う委員会も予定され、台湾との協議を進める全日本持続的養鰻機構の白石嘉男会長(吉田町)は「早く香港ルート解消の道筋を立て、流通の透明化を各国に示したい」と語る。

 <メモ>水産庁によると、昨年11月から今年4月までに日本の養鰻(ようまん)池に入れられた稚魚は19.6トン。そのうち輸入は4.1トンで、主に香港から運ばれた。しかし、香港では稚魚漁が行われていないため、台湾などから密輸された稚魚が日本へ送られているとの指摘が後を絶たない。
 また、池入れ量から輸入量を差し引いた15.5トンが国内採捕量になる計算だが、同時期に各都府県に報告された採捕量は8.4トン。残りの7トンは採捕者が漁獲を少なく申告する「無報告」や密漁など、違法取引に流れている可能性が高い。密輸も含めた稚魚の不正流通に対し、国際社会の厳しい目が向けられている。

ウナギの記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト