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放置畑から薪炒り番茶 菊川で新ビジネス始動

(2018/2/20 17:25)
刈り取った茶の木を破砕機にかけるメンバー=1月中旬、菊川市半済
刈り取った茶の木を破砕機にかけるメンバー=1月中旬、菊川市半済
完成した番茶。薪炒り製法独特の甘みと香りがある=1月中旬、菊川市半済
完成した番茶。薪炒り製法独特の甘みと香りがある=1月中旬、菊川市半済

 担い手不足で放置された茶畑の木を有効活用しようと、菊川市の有志が薪炒(まきい)り番茶の製造会社を設立し、同市半済に工場を建てた。手入れできず困っている畑主の代わりに木を刈り、製品化する新ビジネスで地域の課題解決に挑む。
 設立したのは同市の元障害者施設職員三嶋光博さん(49)ら。番茶の販売実績がある三島市の伊豆総業の協力で体制を整え、1月中旬に稼働を始めた。
 広さ80平方メートルほどの工場に、まきを燃料とする釜と破砕機を導入。長さ約2メートルにそろえて刈った茶の木を破砕機にかけ、チップ状にした葉や枝を炒った後、半年の熟成と2度目の火入れを経て完成する。急須で入れて、ほうじ茶のように飲む。
 薪炒り番茶は奈良県に伝わる技法に倣い、間伐材を焼く熱で火入れする点が特徴。カフェインが少なく木の香りと甘みのある茶になる。長年放置された茶畑の木は農薬や化学肥料の影響がほとんどなく栄養も豊富なため、健康志向の茶として人気が高まっているという。年間5トンの生産を見込み、100グラム千~2千円で、通販などで販売する。
 菊川市内の茶畑は他産地と同様、放棄地の拡大が深刻で、伸びた木々がイノシシのすみかになるなど悪影響も出ている。既に活動を知った畑主からの依頼が続々と入り、工場は連日フル稼働状態。協力を買って出た地域の若者たちが畑に赴き、木を切って工場に運んでいる。
 今後は畑主の持ち込みを受け入れ、できた番茶の半分を商品に、もう半分を畑主に渡す仕組みを探る。障害者施設利用者の就労先とする構想も進める。三嶋さんは「茶農家が守ってきた木を大切に使い、環境も守りながら良質な番茶を作っていきたい」と意気込む。

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