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亡父の技術で「熟成茶」開発に挑む 掛川の製茶問屋・角替さん

(2017/11/1 17:10)
熟成茶の商品開発に挑む角替晃さん。15年(左)、8年(中央)保存した茶と今年の茶(右)で個性を比べる=掛川市の「かねも」
熟成茶の商品開発に挑む角替晃さん。15年(左)、8年(中央)保存した茶と今年の茶(右)で個性を比べる=掛川市の「かねも」

 全国茶商工業協同組合連合会の副理事長を務めた掛川市の製茶問屋「かねも」元会長角替茂二さんが8月、101歳で亡くなった。茶葉の鮮度を保つ技術を確立して業界の発展に寄与した。その技術を応用し、長男の晃社長(70)は茶葉の長期熟成と新たな商品開発に取り組んでいて、「ワインのように熟成を楽しむ飲み方ができるのでは」と可能性を探る。
 同社によると、茂二さんが家業の茶商を継いだのは戦後まもなくの頃。当時茶葉は木箱で常温保存後、紙袋で販売されるのが一般的で、すぐ味が落ちていた。夏場にも、掛川に比べて涼しい東北地方の蔵で半年貯蔵された茶が深い香味を備えていると知った茂二さんは、独自に保存の研究を始めた。
 おがくずを断熱材にした倉庫を造り、冷蔵庫を設置。缶詰で窒素充塡(じゅうてん)すると、何カ月たっても酸化せず香味を楽しめた。この技術は画期的と称され、業界に広まった。
 晃さんは茂二さんの技術を基に、年ごとの茶葉の出来を比較しようと毎年少量ずつ保存してきた。約30年前の茶葉を開封して飲んだ際、強いうま味とコクを感じたという。
 「古さは感じない。むしろ熟成でうま味が増した」と驚いた晃さんは、保存茶葉の飲み比べを重ね、同じ産地で年ごとに味が違うことも実感した。「茶葉の個性が感じられれば茶はもっと面白くなる」と、熟成茶の商品化に取り組み始めた。
 10月下旬、3年間熟成させた茶葉を発売した。晃さんは「うまい茶を売るという父の信念に倣って新しい挑戦をしたい」と声に力を込める。

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