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松崎の幻のポンカン、若い力で守る 農家の後継ぎ2人奮闘

(2019/1/4 17:01)
接ぎ木する台木をさまざまな種類で試し、苗木作りを研究する高橋幸村さん=松崎町道部
接ぎ木する台木をさまざまな種類で試し、苗木作りを研究する高橋幸村さん=松崎町道部
地元の製菓店の協力を得ながら栄久ポンカンの知名度向上と販路拡大を図る三余農園の5代目土屋人さん=同町那賀
地元の製菓店の協力を得ながら栄久ポンカンの知名度向上と販路拡大を図る三余農園の5代目土屋人さん=同町那賀

 松崎町発祥で“幻のポンカン”と呼ばれる「栄久(えいきゅう)ポンカン」の継承に、同町の2人の若手農業者が力を注いでいる。生産量が少なく市場に流通することがないポンカンだが、農地の荒廃や木の老朽化が進んでいるという。2人は「互いに協力して継承栽培していきたい」と苗木育成や農地拡大など生産量増加に向けた取り組みに臨む。
 生産しているのは三余農園の5代目土屋人さん(30)と丸高農園の4代目高橋幸村さん(34)。ともに創業80年を越える農園の後継者として2015年に就農したばかり。「先代が大切に守り続けてきた栄久ポンカンを絶やしてならない」と強い信念を抱く。
 栄久ポンカンは品種登録されておらず、研究実験や品種改良が進んでいないため、栽培方法や苗木の作り方は手探り状態。100本以上ある木から実の色や大きさなどが良質な優性系統の穂木を選び、生育が早くなるようネーブルや温州みかんなどさまざまな種類の台木に接ぎ木して苗木を育てている。
 地域の事業者と連携した販路拡大にも乗り出している。製菓店の協力を得ながら洋菓子などの商品開発に取り組むほか、栄久ポンカンの知名度向上と規格外商品の利活用も狙っている。
 土屋さんと高橋さんは「伝統を築いてきた両農園同士、クリアしなければならない課題も多い。『松崎といえば栄久ポンカン』と認知されるよう互いに協力しながら継承していきたい」と口をそろえた。

 <メモ>栄久ポンカン 三余農園の2代目土屋栄久氏が1934年ごろ、知人から譲り受けた穂木を自宅の庭に植えたのが起源。「栄久ポンカン」と名付けられ、丸高農園の初代高橋亘氏と伊豆半島を中心に苗木を配るなど普及活動に尽力した。甘みが非常に強く、酸味と香りのバランスも良い。太田ポンカンや今津ポンカンなどの主流品種と比べ、収穫できる成木になるまで時間がかかり、規格外の実が成りやすいため栽培に手間がかかる。収穫時期は1月上旬~2月下旬ごろまで。年間生産量は三余農園は約20トン、丸高農園は約5トンを見込む。

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