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サクラエビ春漁漁獲、最低更新 「生態系構造転換」指摘も

(2018/6/28 07:42)
過去最低の水揚げ量を記録した今季のサクラエビ春漁=4月下旬、静岡市清水区
過去最低の水揚げ量を記録した今季のサクラエビ春漁=4月下旬、静岡市清水区
駿河湾産サクラエビの水揚げ状況
駿河湾産サクラエビの水揚げ状況

 当初の終了予定から6日前倒しして終了した駿河湾特産サクラエビの春漁。水揚げ量、売上高はともに記録が残る1986年以降で最低を更新した。禁漁期間の前倒しで資源回復に期待がかかる一方、専門家からは「レジームシフト(生態系の構造転換)が起こった可能性がある」との指摘も上がる。
 由比港漁協(静岡市清水区)のまとめによると、2018年春漁の水揚げ量は約312トン。売上高は11億3700万円で、17年春より約35%減少し、これまでにない不漁だった。近年は水揚げの減少傾向が深刻化し、20~30年前の2分の1から3分の1の水準まで落ち込んでいる。
 資源回復の鍵を握る親エビの産卵状況も低調とみられる。県水産技術研究所(焼津市)の推計では、09年以降の産卵個数は、豊漁だった1999年や2000年の1~3割程度にとどまっている。同研究所と共同研究をしている東海大海洋学部の鈴木伸洋教授は「産卵間近のエビを捕ってしまっているのが原因の一つ」と指摘する。
 一方、同学部で海洋生物学が専門の石川智士教授は「海水温や、海洋の生態環境、陸地を含めた気象条件などさまざまな要素が変化している」と別の見方を示す。エビの産卵期や産卵場所が変わった可能性があると指摘。「駿河湾産サクラエビを守るために、産官学が連携して調査、対策を取らなければならない」と強調する。
 駿河湾産を扱う地元加工業者や漁師は「資源回復には少なくとも数年の禁漁が必要だろう。ただ、禁漁すれば地元産業は立ち行かなくなる」と苦境に頭を抱える。専門家には「レジームシフトが起こっていたら、禁漁しても元の水準までは戻る保証はない」と厳しい見方もあるが、実効性が伴う資源保護策や持続可能な漁の在り方を早急に探るべきとの考えは関係者で大筋一致する。

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