静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

「勤務間インターバル」導入、静岡県内で広がり 国の助成追い風

(2018/6/6 17:41)
勤務間インターバル導入に合わせて、職員の出退勤や園児の登降園管理ができるシステムを導入した「れんげこども園」=5月上旬、浜松市中区
勤務間インターバル導入に合わせて、職員の出退勤や園児の登降園管理ができるシステムを導入した「れんげこども園」=5月上旬、浜松市中区

 終業から翌日の始業までに一定時間を空けて働く人の休息時間を確保する「勤務間インターバル」を導入して、働き方改革に挑む職場が静岡県内で広がっている。国会で審議が進む働き方改革関連法案では重点の一つに位置づけられ、国の中小企業向け助成金制度も普及に一役買っている。
 浜松市中区の「れんげこども園」はことし2月、就業規則を改定し「休息時間11時間以上」のインターバル規制を導入した。国の助成を活用し、スタッフの出退勤と園児の登降園が一元管理できるシステムを取り入れた。
 開園が午前7時から午後6時半までの同園は、6形態のシフトを設けて保育士や事務員ら30人が交代勤務している。以前は紙ベースで勤務管理していたため、「誰が早番で誰が遅番か分かりにくく、勤務時間が過ぎても同僚に遠慮して帰りにくい雰囲気が少なからずあった」と青山一子園長は振り返る。
 制度導入後は、勤務状況が可視化され、休憩の取得や早帰りを呼び掛けやすくなったとし、青山園長は「メリハリを持って働ける環境の整備で、保育士らの人材定着や確保につなげたい」と話す。
 浜松市を中心にデイサービス施設や障害者向け施設などを運営する医療法人社団「もみのおか」(同市中区)もことし2月、パートや嘱託を含む全職員対象に勤務間を「11時間以上」に設定し、就業規則に盛り込んだ。
 以前から、残業は事前申告制とするなど時間外労働削減に努めてきたが、残業のつかない管理監督者である管理職が遅くまで残ってしまう状況があり、「制度導入を機に、職場全体の時間外労働削減を徹底したい思いがあった」と法人通所施設責任者の中村謙吾さん。働き方改革の推進で人材確保や若手が管理職に挑戦しやすい職場風土の醸成を図る。
 県内大手企業でも導入が進んでいる。ジヤトコ(富士市)は4月から、管理職を含む全社員を対象に「11時間」の制度を導入。スズキもことし1月から、勤務間インターバルを導入した。

 ■申請252社、全国2位
 静岡労働局によると、2017年度に勤務間インターバル導入に向けて国の助成金制度を申請した県内中小企業は252社。都道府県別で全国2位だった。
 申請企業の業種は医療福祉が17%で最多。製造15%、卸小売業14%と続いた。規模別では「1~10人」の事業所が6割を占めた。
 18年度に申請できる助成金は「時間外労働等改善助成金」の勤務間インターバル導入コース。勤務間インターバルを設定する際の就業規則変更や労務管理用機器導入などにかかる費用が、最大50万円まで助成される。

 <メモ>勤務間インターバル 従業員が生活や休息の時間を確保できるように、終業から翌日の始業までに連続した休息時間を空ける仕組み。働き方改革関連法案では「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の改正でインターバル規制導入の努力義務化について審議が進められている。欧州連合(EU)は加盟国の企業に11時間以上の勤務間インターバルを確保するよう義務付けている。

静岡経済の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト